黄色は進め? 6月25日に上下両院が合意した金融規制改革法案では危機の再発を防げない Lucas Jackson-Reuters 6月25日の早朝、アメリカの上下両院は金融規制改革法案の一本化で合意した。バラク・オバマ大統領はこの日、同法案を「大恐慌以来最も厳しい金融改革」と称賛した。 確かにこの法案には、07〜09年の金融危機を招いた問題点を改めるために、さまざまな措置が盛り込まれている。デリバティブ(金融派生商品)取引の透明化、銀行およびクレジットカード会社、住宅ローン会社に対する強力な監視機関の創設、経営難の金融機関を政府が清算するための新しい手段の導入などは、効果がありそうだ。 しかしある面で、今回の法案は、大恐慌直後の1933年に制定されたグラス・スティーガル法に及ばない。銀行と証券の分離などを定めたグラス・スティーガル法は、金融システムの構造と金融機関の形態を大きく様変わりさせ