映画の冒頭にはエルドアン大統領が登場し日本との友好関係を賛美する。=20日、都内の映画館 撮影:筆者= 映画『海難1890』は、じつに安直なプロパガンダ・ムービーだ。AKBとEXILEをこよなく愛する安倍首相のキモ煎りで製作された映画だけのことはある。 映画のストーリーはこうだ ― 1890年、和歌山県紀伊大島沖でトルコの軍艦「エルトゥールル号」が台風のため座礁、大破した。 遭難を知って駆け付けた島民たちが海に投げ出された乗組員を懸命に救出する。日本政府は戦艦2隻を出し、生存者をトルコまで送り届けた。トルコ国民の対日感情の良さは、この海難事故の救出劇に由来すると言われている。 それから90年、イラン‐イラク戦争が勃発(1980年)。両国ともトルコの隣国である。 85年、サダム・フセインが恐怖の宣言をする。「48時間後に無差別爆撃を開始する。テヘラン上空を飛ぶ航空機は軍用機、民間機を問わず撃