近年,わが国においてもエビデンスに基づく医療(EBM)の提供が求められており,その根拠となる学術論文のシステマティックレビューおよびメタアナリシスの重要性は,ますます高まっている。システマティックレビュー報告は,疾病の診断および予後,予防対策などに広く活用されている。これまでいくつかの研究でシステマティックレビュー報告の質が評価された結果,報告の質は全体的に不十分であった。1996年,メタアナリシス報告の質を向上させるために,国際研究グループが「QUOROM(メタアナリシス報告の質)声明」という指針(guidance)を作成した。さらに,QUOROMの項目等について検討してきた運営委員会は,2009年6月,その改訂版を作成し,「PRISMA(システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目)声明」と名づけた。このPRISMA声明では,システマティックレビューの概念および実
私が闘病記に注目した12年前は、「闘病記」というと病気になった人が読む本というイメージが色濃かった。映画やテレビでは病気と闘う強い意志を持った患者が描かれ、家族と強い絆で結ばれる話や美人薄命をことさら強調した「感動もの」も、まず闘病記を思い浮かべるイメージだ。患者側からすると、闘病記を読むと気持ちが重くなる、生き残った運のいい患者だけが書いている、などあまり良いイメージはない。書店や図書館では、エッセーや文学のコーナーに並べられていた。そんな闘病記を患者とその家族のため「医療資源」に位置づけようと「闘病記プロジェクト」が始まった。その闘病記プロジェクトに大きな貢献を果たした一人が星野史雄さんだ。闘病記を探しやすく、だれでも簡単に手に取れるようにしようと、星野さんと私(石井保志)が意気投合した活動を振り返ってみたい。 交流の始まり 闘病記の古書店があることを知ったのは、2001年ごろだった。
被災地で実施される調査・研究について 今般の東日本大震災による被災地域において、被災者に対する様々な健康調査・研究が実施されているが、これらの健康調査・研究の中には、倫理的配慮を欠き、被災者にとって大きな負担となっているもの、自治体との調整が十分図られていないもの等が見受けられ、関係学会等からも問題提起がなされているところである。 ついては、被災地における被災者を対象とした健康調査・研究を実施する場合には、下記について遵守されるよう留意されたい。 記 1 「疫学研究に関する倫理指針(以下、疫学指針)」が適用される疫学研究を実施する場合等においては、疫学指針等にのっとり、当該研究計画について、倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長による許可を得るなど、適切な対応を行うこと。 2 被災者を対象とする調査・研究は、当該被災地の自治体と十分調整した上で実施すること。また、調査・研究の結果、必要と
日本に滞在して1週間経った。新幹線や飛行機での移動もあったし、東京駅周辺も歩いたが。クールビズが定着し、ほとんどの人がノーネクタイなので、なんとなく日本人がだらしなくなったように感じてならない。学会の懇親会でも、海外からの参加者はきっちりとネクタイをしているが、日本人は大半がノーネクタイだ。 エネルギー対策として始まったクールビズだが、シカゴ大学病院の医師たちがネクタイをしているのを見慣れた今となっては、やはり、日本社会に締りがなくなったように思える。温暖化対策も重要だが、精神論的に何かがおかしくなっているような気がする。 話は変わるが、今、札幌がんセミナー参加のため、札幌にいる。そこで会った中国から参加した研究者に「5月に中国を訪問化した際に、発表者全員がPrecision Medicineという言葉を使っていたがどうしてか?」と尋ねたところ、習近平主席がPrecision Medici
大学付属病院は、教育・診療・研究の3つのミッションを担っている。どの要素も非常に重要であり、これらを責任を持って実行する臨床教室のトップは、すべての要件を満たすことが不可欠だ。しかし、現在のように世界が急速に進展を遂げる中で、教育者として優れ、診療も他者に引けを取らず、研究者としても世界一流であるような人物がいるのかどうか疑問だ。 以前にも触れたが、大学の教室単位が小さくなったため、ひとつの教室は教授・准教授と少数の講師・助教プラス大学院生などで運用されている。この小規模化に加え、最近では、大学内に設置された多くの委員会や対外的な学会活動なども多くなり、本来の重要な業務である大学病院内で求められる3要件を満たすことに四苦八苦している状況となっている。 最新の医療・医学に関する情報も加速度的に増大してきているので、これらを追いかけるだけでも大変だ。ブログを書くようになって再認識したが、他者の
製薬メーカーとの付き合い方 外科系、内科系問わず、医療において薬はなくてはならないものです。そのことは、現代医学における「薬」がなかった時代を思い出していただければ、すぐに理解できます。 現代医学における「薬」とは、抗生物質とビタミン剤がその嚆矢であるとぼくは思います。両者は20世紀に誕生しました。秦佐八郎とパウル・エールリッヒが梅毒治療薬サルバルサンを開発し、アレクサンダー・フレミングがペニシリンを発見し、鈴木梅太郎が(脚気治療薬の)ビタミンB1を発見する時代です。要するに、薬理学の黎明期です。Goodman & Gilmanの第1版が出版されたのが1941年です。この時代こそが「薬」時代の幕開けなのです。それ以前は敗血症や脚気や壊血病などでたくさんの人が死んでいたのです。「薬」以前と以後においては、人間の健康のあり方は激変しました。 もちろん、それ以前にも薬はありました。現代の漢方薬の
平成25年9月6日、学術誌ランセットが、同誌に掲載された論文「Jikei Heart Study」を撤回すると発表しました。 この事実を真摯に受け止め、透明性・公正性・中立性の高い臨床研究の実現、ならびに信頼の回復に努めてまいります。
国立国会図書館は11日、東日本大震災の被災者・被災地に向けた復興支援策として、被災地の医療機関などに対し、無料での資料提供・資料相談(レファレンス)を受け付けると発表した。(参考:メディカ出版が災害時に必要な医療技術をホームページで無料公開) 対象となるのは、東日本大震災の被災地域(青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・千葉県)。これらの地域で震災復興に携わる国・地方公共団体の諸機関、医療機関、教育機関、企業、ボランティア団体等が、通常の図書館経由などによるサービスを利用できない場合に、無料での資料提供・資料相談をメール・FAXで受け付けるという。 被災地復興のために必要な図書館資料を複製物で提供する。支援期間は4 月11 日(月)~5 月末日まで。6 月以降の支援については、復興状況等を勘案して検討するとしている。詳細は国立国会図書館のホームページへ。
−東北地方太平洋沖地震を被災された方々へ− 被災地の大学、病院、医療関連機関に所属の方々、あるいは救護・復興活動に従事される医療者の方々に、日本医学図書館協会(JMLA)が医学文献を無料提供いたします。 下記の要領に従い,お申込ください。 申込方法 申込方法は,Webフォーム,FAX,E-mailです。(これらが不可の場合は電話でも可) Webフォームは,こちらをクリックください Faxは,専用の申込書を用意しました。こちらをダウンロードしてお使いください E-mailは,申込項目をメールにコピーして,各項目をご記入の上,窓口館である 東邦大学医学メディアセンター, 愛知医科大学医学情報センター のいずれかへお申込ください。 電話は,E-mail申込項目を口頭でお伝えください。電話は,窓口館である 東邦大学医学メディアセンター (代表)03-3762-4151 内線2449 愛知医科大学
CMECジャーナルクラブは一定の基準に従って論文を厳選し、訓練を受けた執筆陣が一定の形式で原稿作成します。 原著論文の情報源(ジャーナルサーベイ) ・NEJM ・Lancet ・JAMA ・BMJ ・Annals of Internal Medicine ・EVIDENCE Updates ・DynaMed Alert ・InfoPOEMs ・UpToDate、DynaMedの参考論文 ・医中誌 ・編集者の論文ストック 論文の選択基準 治療・予防に関する臨床研究論文のうち、真のアウトカムを設定した以下の論文。 ◆ランダム化比較試験 ◆メタ分析 作成方法 認定サーベイヤーが上記の情報源を定期的にサーベイして論文を選択します。選ばれた論文について、執筆グループの執筆者は以下の基準で原稿を執筆します。(構造化抄録) 共通基準 PECO ◆真のアウトカム 一次アウトカムの結果 ◆相対危険(相対危険
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