大学の研究戦略支援業務を支える研究力分析ツール 東京大学 リサーチ・アドミニストレーター推進室:山野真裕(やまの まさひろ) 金沢大学 先端科学・イノベーション推進機構:鳥谷真佐子(とりや まさこ) 1. はじめに 近年、日本の大学の研究力を測る取り組みが、国として本格的に行われている。研究力は、研究のアウトプットである論文生産の状況、および、研究を行うためのインプットである研究費や研究時間、支援体制の状況などから評価されている(1)。特に、発表された論文の引用関係から研究力を評価・分析するアプリケーションが急速に発展し、多くの大学で導入が進んできた。 論文の質を測るために用いられるのが、論文の引用関係である。多くの論文から引用されていれば、その研究は、その後に行われた研究への影響が大きいものと捉えられる。また、論文共著の情報によって、国内外の機関をまたぐ共同研究の状況を見ることができる
動向レビュー データジャーナル:研究データ管理の新たな試み 情報・システム研究機構国立極地研究所情報図書室:南山泰之(みなみやま やすゆき) 1.はじめに 近年関心の高まる研究データの管理において、データを「出版(パブリケーション)」することでその一翼を担おうとする試みである、「データジャーナル」という新たなタイプの学術雑誌が注目されている。2014年には“Scientific Data”(Nature Publishing Group)、“Data in Brief”(Elsevier)の創刊も相次ぎ、データジャーナルへの期待は高まりつつあると言えよう。本稿では、データジャーナルの概要や登場に至る背景を概観しつつ、データジャーナルの主な特徴を解説する。併せて、近年における日本での動向を紹介する。 2.データジャーナルとは (1) 概要 データジャーナルとは、2014年9月に日本学術会
米国国立衛生研究所(NIH)の国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)が試行していた“PubMed Commons”が、一般にも閲覧できるようになっています。“PubMed Commons”は、PubMedに採録された記事に対して、参加者がコメントを付与し、共有するものです。 2013年12月19日に掲載されたブログ記事によると、現時点で2,300万件以上の記事のデータを持つPubMedにおいては、試験段階で付与された数百件のコメントはごくわずかに過ぎないとのことですが、PubMed Commonsのページや、コメントが付いたものに限定して検索することなどにより、これまでに付与されたコメントを確認することができます。 Meet PubMed Commons: The new comments forum in PubMed(PubMed Commons Blog, 2013/12/1
米国国立医学図書館(NLM)と英国ウェルカム図書館(Wellcome Library)が共同で、歴史的に重要な生物医学分野の雑誌近150年分のバックナンバーをオンラインで無料公開するという覚書を交わしました。NLMが75万ポンド(120万ドル)の寄付を受け、同館の蔵書を3年間かけて記事レベルでスキャニングを行い、ウェルカム図書館が著作権処理や出版者への許諾処理を行うとのことです。NLMはデジタル化済みのオリジナルの資料についても保存していくとのことです。 デジタル化済みの資料は、米国国立衛生研究所(NIH)のリポジトリであるPubMed Central、EuropePMCで公開される予定とのことです。このプロジェクトは、“Medical Journal Backfiles Digitization Project (2004-2010) ”の成果を基にしたものと位置づけられているようです。
国境なき図書館と国際キャンペーン『緊急時の読書』 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会:鎌倉幸子(かまくらさちこ) はじめに 国境なき図書館(Libraries Without Borders: LWB)は2007年にウェイル(Patrick Weil)氏によって設立されたフランスのパリに本部を置く非政府組織(NGO)である。 2007年の設立時には、LWBは、情報へのアクセスと文化の伝播は、経済発展、民主主義の実践や人権の鍵を握ると考え、開発途上国において図書館を通じて知識と文化をベースとした発展を促すことを目的としていた。2010年に起こったハイチ地震を契機に、スタッフやボランティアなどの支援チームを現場に派遣し、本や教育教材の配布など緊急救援時における図書館の活動を展開した。その際にフランスの作家であるマーズ(Kettly Mars)氏は「魂の栄養は絶望的な環境の中にいるとして
2013年7月18日、Europe PubMed Central(Europe PMC)がEurope PMC収録論文から外部の関連情報やツールにリンクを付与することができるサービスを開始しました。Europe PMCは米国医学図書館(NLM)が運営するPMCのヨーロッパ版で、ヨーロッパにある生命医学分野の研究助成機関等の支援を受け運営されています。自身のコンテンツのほか、PubMedに収録された約2,800万の論文抄録情報も検索することができます。 外部リンクサービスではEurope PMCから論文に関連するデータが収録されたサービスにリンクを付与したり、機関リポジトリ等に収録された本文にリンクしたりすること等ができます。2013年7月18日現在、データリポジトリサイトDryadやドイツのビーレフェルト大学の機関リポジトリ等が外部リンクの対象となっています。 Europe PMC’s E
出典:各ツール提供元のウェブサイト等の情報を基に筆者が作成(30)。 3.4. その他の機能 取り込んだメタデータやフルテキストを他ユーザと共有する機能を持つ文献管理ツールもあり、EndNote Web、RefWorks、Mendeleyでは共有が可能である(32)。 また、携帯電話やスマートフォン等のモバイル機器への対応については、EndNote WebとRefWorksはモバイル用のサイトを用意し、MendeleyはiPhone/iPadアプリを提供している(33)。 4. 大学図書館のサービスとしての文献管理ツール 4.1. サービスにおける位置づけ 商用の文献管理ツールを契約している大学図書館は国内でも少なくないが、その理由は何であろうか。 大学図書館の第一義的な使命は、大学内の研究者や学生の研究・学習活動を支援することである。大学図書館は、従来、OPACをはじめとするデータベ
カナダ国立研究機構国立科学技術情報機関(NRC-CISTI)、カナダ保健研究機構(Canadian Institutes of Health Research;CIHR)、米国国立医学図書館(NLM)の協力により、PubMed Central Canadaが正式にスタートしました。PubMed Central Canadaには、CIHRが助成した研究成果のほか、米国のPubMed Centralのコンテンツの大半が含まれるということです。 Pubmed Central® Canada is Launched – NLM Technical Bulletin 2010/1/5付けの記事 http://www.nlm.nih.gov/pubs/techbull/jf10/jf10_pmc_canada_uk.html PubMed Central Canada http://pubmedcen
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