この6月に著作権法の一部を改正する法律が公布,一部を除いて2010年1月から施行の予定である。文化庁は,“デジタル・コンテンツの流通を促進する”ことが今回の狙いの一つとしているが実態はどうなのか,改正の背景やそれが与える影響について,西村あさひ法律事務所 弁護士の櫻井由章氏に聞いた。 ――今回の著作権法改正(平成21年著作権法改正)の概要を教えてください。 著作権法をインターネットの時代に対応したものにしていこうとするための一つとして立案されたものとされています。今回の改正は三つの柱から成ります。(1)インターネット等を活用した著作物利用の円滑化を図るための措置,(2)違法な著作物の流通を抑止するための措置,(3)障害者の情報利用の機会を確保するための措置,です。 著作権はインターネット,デジタル化技術がなかった時代に作られたものです。立法のときに想定していなかったコンテンツの流通・利