もう十五年以上も前、学生の義務として初めて論文らしきものを書こうとし、そして論文というものがよく分からないまま(そしていまでもそれが何かよく分かっていないのですが)、終わりに近づくにつれて、あることに気がつきました。つまり自分がここにで述べていることに、もし何かの意味があるとすると、ここで論文として述べているそのやりかたはほとんど無意味であると。つまり内容と形式とがまったく矛盾しつつあることにーもっともいっそう未整理なかたちではありましたがー気がつきそうになったのだという気がします。その論文はまさにAlthusserが考えたことを解説しようとしたものではあったのですが、締め切りの数ヶ月以上前に内容的には筆が止まったまま、その当時は息が切れたのだと思っていましたが、いまから思うと内的な矛盾というか困難のために、いわば実質的には未完のまま、本来であればまったくはじめから書き直すべきまま、とりあ