[Tyler Cowen, “Signaling virtuous victimhood as indicators of Dark Triad personalities,” Marginal Revolution, July 6, 2020] 本稿では,犠牲者であることのシグナルと美徳シグナルを発する帰結と予測要因を検討する.最初に示す3つの研究では,美徳ある犠牲者だと伝えるシグナルは,そのシグナル発信者に他人から見返り不要のリソース移転が起こりやすくしうることを示す.次に,犠牲者シグナリング尺度を開発・検証し,美徳シグナリングを計測するのに確立されている方法とこの尺度を組み合わせて,美徳ある犠牲者という構成概念を操作概念にする.《暗黒三幅対(ダークトライアド)》――マキャベリズム・自己愛・サイコパシーの3つ――を備える個人の方が,美徳ある犠牲者のシグナルを発する頻度が大きいことを示す