ハイブリッド車(HV)や省エネ家電の部品生産に使われる「レアアース(希土類)」を巡り、世界生産の9割超を握る中国が7月、輸出枠を大幅に削減することを決め、日本の産業界が懸念を強めている。状況打開のため、直嶋正行経済産業相は28日から北京で始まる日中ハイレベル経済対話で、中国政府に輸出枠を拡大するよう申し入れる方針を固めた。 中国政府は7月、今年下半期向けのレアアースの輸出枠を約8千トンと発表。年初からの合計では約3万トンと、今年の輸出枠は、約5万トンだった昨年と比べ約4割の大幅減になる。日本は中国産レアアースの最大の輸入国だ。 輸出枠の削減を受けてレアアースの価格は急上昇し、モーターの磁石に使われるネオジムなどは発表後、30%ほど値上がりした。日本の商社や合金メーカーからは「業界はパニックになっている」(大手商社双日の担当者)との声が上がる。中国が輸出枠の削減を今後も続ければ、ハイブリ