菅直人首相の政策は「1に雇用、2に雇用、3に雇用」だそうである。民主党の代表選挙での彼の演説によれば、「雇用を生み出せば、経済の成長につながる」というのだが、これは順序が逆である。 小沢一郎氏が指摘したように「雇用を増やすためには、まず景気を良くしなければならない」。雇用が成長を生み出すのではなく、成長が雇用を生み出すのだ。 成長を生み出すには経済の生産性を上げるしかない では、成長はどうやって生み出すのだろうか。 小沢氏の言う補正予算は、税金で雇用を生み出すことになるが、これは将来の需要を先食いするだけだ。「エコポイント」は自動車や家電の売り上げを増やしたが、終わると売れ行きが落ちるのを見ても分かるように、財政政策は本質的な成長には結びつかない。
オバマ政権で国家経済会議(NEC)委員長を務めてきたサマーズ氏は、頭脳明晰なことにかけては異論を差し挟む人はいない〔AFPBB News〕 ヘンリー・キッシンジャー氏は以前、今年末にオバマ政権を離れることになった経済顧問のローレンス・サマーズ氏について、悪いアイデアを排除するためだけにホワイトハウスで雇うべきだと評したことがある。 サマーズ氏は数週間後にはハーバード大学に戻り、自分の発案が政界でどこまで受け入れられるだろうかと推し量ることなく、良いアイデアを考え出せるようになるだろう。 低下し続ける米国経済の競争力を回復させるのに必要な施策について、真剣に議論するふりすら連邦議会はやめてしまったようだから、今回の退任はほぼ間違いなく、サマーズ氏の知性を解放することになるだろう。 問題は、この退任劇がバラク・オバマ大統領の知性も解放する契機になるかどうかだ。 経済学者の間では、サマーズ氏が世
(英エコノミスト誌 2010年9月18日号) 米国は2度目の景気後退を回避できそうだ。しかし、家計はいまだ過剰な債務負担を負っており、行く手には何年も続く緩慢な経済成長が待ち受けている。 カリフォルニア州南部で30年間自動車を売ってきたデビッド・ウィルソン氏は、数え切れないほどの景気の浮沈を経験してきた。このため、店舗の大半がロサンゼルスとオレンジ郡周辺に集積しているディーラー網16店で2008年に販売台数が3分の1減った時、当然、いずれは持ち直すと考えた。それがいまだに回復していない。 ウィルソン氏は今、好況期の数年間の自動車販売は、カリフォルニア州の住宅バブルの副産物だったことを悟った。ディーラー各社は、金融危機以前にカリフォルニアで購入された新車の3分の1は、ホームエクイティローン*1で買われたものだったと考えている。 「今は住宅に純資産価値がない」とウィルソン氏。「となると、自動車
露光装置とは、写真の技術を応用して、シリコンウエハ上に塗布した感光性樹脂(レジスト)に光を照射することにより回路パタンを形成する装置である。解像度の進展とともに、装置価格が高騰しており、「ArF液浸」と呼ばれる最先端露光装置は1台50億円、次世代のEUV(Extreme Ultra Violet)露光装置は100億円を超えると言われている。 露光装置は、人類が生み出した最も精密で高価なマシンであると言える。東芝の微細加工の責任者である東木達彦部長は、「まさに兵器だ」とすら述べた。半導体の量産工場には、「兵器」のごとき露光装置が数十台並ぶ。この兵器をどのように使うかが、半導体デバイスの性能、品質のみならず、コストにも大きく影響する。 ASMLの装置はスループットと稼働率が高い? ASMLはどのようにしてTSMCやサムスン電子と共進化できる露光装置を開発したのか? 装置メーカーに所属している筆
(英エコノミスト誌 2010年9月18日号) 新種のスウェーデン・モデルは、左派ではなく右派にとって魅力があるものになっている。 スカンジナビアの外では、スウェーデンは一般に2つのことで知られている。社会民主主義とスティーグ・ラーソン氏の著書だ。だが、9月19日の総選挙に先立って実施された世論調査が正しければ、それも変わるかもしれない。前者の社会民主主義が、後者の小説に頻繁に登場する死体のように見えてくる可能性があるのだ*1。 今回の選挙では、4年前に政権を取った中道右派連合が再選されると見られている。実際、最大の中道右派政党である穏健党が、1930年代以来初めて、社会民主労働党(社民党)をスウェーデンの単一最大政党の座から引きずり下ろす可能性さえある。 中道右派の成功は、スウェーデンは社会民主主義の楽園だという国外の一般的な見方を覆すだけでなく、外国人が羨望の眼差しを向けるがスウェーデン
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