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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (15)

  • 「なぜ30%値下げできないの?どれくらいなら下げられるの?」「できるか、できないかで答えてください」と高圧的に言われたらどうするか?『戦略的交渉入門』

    「その価格では厳しい、30%下げてほしい」 と、初手から無理な数字をふっかけてくる。それは難しいと答えると、 「なぜですか?どの程度なら下げられますか?」 と畳みかけてくる。答えに窮すると、 「できるのか、できないのか、答えてください。できないなら議論は終わりです」 と言い放つ。 価格交渉や要件定義の場で、高圧的な態度で話す人がいる。相手を説き伏せ、自分の思い通りの結論に持っていきたがる。一方的にまくし立てて、質問に質問を重ね、相手に話す機会を与えない。 典型的なパワープレイ、二分法、アンカリングの交渉術である。これらはビジネス上の技法であることを、そもそも知らなかった若いころは、さんざんやられたものだ。顧客だけでなく営業や上司からもやられたことがある。 そして、交渉の「術」だから対策がある。『戦略的交渉入門』には、こうした交渉「術」への対策がふんだんに盛り込まれている。 「なぜ30%下げ

    「なぜ30%値下げできないの?どれくらいなら下げられるの?」「できるか、できないかで答えてください」と高圧的に言われたらどうするか?『戦略的交渉入門』
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    orealt 2024/11/11
  • ミスを責めるとミスが増え、自己正当化がミスを再発する『失敗の科学』

    人はミスをする。これは当たり前のことだ。 だからミスしないように準備をするし、仮にミスしたとしても、トラブルにならないように防護策を立てておく。人命に関わるような重大なトラブルになるのであれば、対策は何重にもなるだろう。 個人的なミスが、ただ一つの「原因→結果」として重大な事故に直結したなら分かりやすいが、現実としてありえない。ミスを事故に至らしめた連鎖や、それを生み出した背景を無視して、「個人」を糾弾することは公正なのか? 例えば、米国における医療ミスによる死亡者数は、年間40万人以上と推計されている(※1)。イギリスでは年間3万4千人もの患者がヒューマンエラーによって死亡している(※2)。 回避できたにもかかわらず死亡させた原因として、誤診や投薬ミス、手術中の外傷、手術部位の取り違え、輸血ミス、術後合併症など多岐にわたる。数字だけで見るならば、米国の三大死因は、「心疾患」「がん」そして

    ミスを責めるとミスが増え、自己正当化がミスを再発する『失敗の科学』
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    orealt 2024/01/07
  • この本がスゴい!2023

    「あとで読む」と思ったが、後で読まれた試しがない。 今度の週末・連休にと、積まれたは崩されない。次の盆休み・年末年始に繰り越され、山脈を成し床が消える。 読書事になぞらえて、「血肉化」と表現するならば、私がやっていることは、メニューを眺めて片っ端から注文しているくせに、いんすた映えを気にしながら撮るくせに、まともに咀嚼して嚥下して消化してない状態だ。 そのくせ、「積読も読書のうち」と開き直ったり、溜まったこそ私の証などと屁理屈こね回す。読まないに「負債」のような後ろめたさを感じつつ、新刊を探しだす。新しいはそれだけで価値があると盲信し、かくして積読リストは延びてゆく。 もう一つ、恐ろしい予感がある。感受性の劣化だ。 あれほど楽しみに「取っておいた」が、まるで面白くなくなっている。いや、そのの「面白さ」が何であるかは理解できる。だが、それを面白いと感じなくなっているのだ。

    この本がスゴい!2023
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    orealt 2023/12/01
  • ルーク・スカイウォーカーの初登場までに17分もかかった理由『脚本の科学』

    面白い物語の法則として「主役はできるだけ早く登場させて印象づけろ」というものがある。 にも関わらず、最初の『スター・ウォーズ』はこのルールを破っている。小さな宇宙船を追跡する超大型戦艦から始まり、悪の親玉に捕まるお姫様を描き、辛くも脱出するロボットのコンビを描く。 メイン・キャラクターであるルーク・スカイウォーカーが出てくるのは、映画が開始して17分が経過してからになる。 一方、『スター・ウォーズ』のオリジナルの脚では、4ページ目からルークが紹介されるシーンがある。ほぼ冒頭から登場するのだが、このシーンは映画に入っていない。脚家のジョージ・ルーカスは慣習に従ってルークを冒頭で出しているが、監督のジョージ・ルーカスはそうしなかった。 なぜか? 様々な説が考えられるが、『脚の科学』によると、「その必然性が無かったから」になる。 いきなり始まる怒涛のバトル&追跡劇で息つく暇もない観客は「逃

    ルーク・スカイウォーカーの初登場までに17分もかかった理由『脚本の科学』
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    orealt 2023/05/28
  • 料理観を揺さぶり、変化させる『料理の意味とその手立て』

    自炊歴も30年になると、料理も適当になってくる。 テキトーという意味ではなく、あり合わせのものでなんかするイメージ。レシピ通りに作らないし、調味料も目分量になる。代わりに、費と洗い物の最小化を目指したり、極限までサボったり、変わった料理に挑戦したりする。 自分の中で、「料理とはこんなもの」という料理観みたいなものが出来上がっている。そのため、普通のレシピは、レパートリーを増やすためにチラ見する程度になる。 一方で、私の料理観を揺さぶり、変化させるようなもある。何気なくやってた一手間が、実は深い意味を持っていたり、伝統&科学に裏打ちされた質が見えてきたりする。 ウー・ウェン著『料理の意味とその手立て』が、まさにそんな一冊だ。 中国家庭料理を紹介しているのだが、いわゆるレシピ集というよりも、料理についての考え方をまとめたエッセイと言ったほうがしっくりくる。料理する人には見慣れたことかもし

    料理観を揺さぶり、変化させる『料理の意味とその手立て』
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    orealt 2022/08/14
  • リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた

    「女の子の匂い」をご存じだろうか? 「臭い」ではなく「匂い」である。 よく言われる、せっけんの香りではない。デオドラントや柔軟剤、コンディショナー、乳液、ハンドクリーム、化粧水、オーラルケア、ファンデなどの香料、フレグランスでもない。それらは、女の子から漂ってくる様々な匂いを構成する要素にすぎない。 そうした、外づけの化合物ではなく、女の子自身から発する匂いだ。ココナッツミルクや白桃を想起させる、何とも言えない、「匂い」というより、「あの感じ」といえば分かるだろうか。心地よく、はっとする感じ、あるいは身体的にオンになる感覚である。 これは、わたしの変態性が生み出した妄想にすぎぬ、と考えていた。しかし、優れた先人たちの研鑽と研究の末、「女の子のいい匂い」とは、以下の物質であることが判明している。 ・高級脂肪酸と安息香酸エストラジオール ・ラクトンC10、C11 では、女の子の匂いを再現するこ

    リアル君の名は。おっさんが女の子の匂いを買ってきて身につけたら、たまらない背徳感を味わえた
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    orealt 2019/05/23
  • 貧乏人は早く死ねというのか『老後破産』

    まだ暑い盛り「お年寄り、クーラーつけず熱中症、救急搬送8000円」というニュースを目にした。 省エネなのか冷や水か、場合によっては生命維持装置でもあるスイッチを切るなんて。こまめにON・OFFしても、浮く電気代はわずかなものらしい。電気代ケチって病院代かかるなんてギャグかと思っていたら、事情は違うようだ。その差ですら惜しむような、さらには電気代すら払えない高齢者の現実を、書で知った。 書では、年金だけでギリギリの生活をしている状況を、「老後破産」と位置づけ、必要な医療も受けられず、十分な事もとれない高齢者たちの実態を報告する。元はNHKスペシャル『老人漂流社会 "老後破産"の現実』(2014.9.28放送)をベースに、番組では紹介しきれなかった事例も併せて書き直している。番組は見逃していたが、報われない老後の現実が痛々しく、他人事とは思えない。 たとえば、港区の築50年のアパートに住

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    orealt 2015/10/16
  • 自炊の味方『小林カツ代のお料理入門』

    料理をおいしくするコツが、やさしく伝わる一冊。 我が家で最も信頼されているレシピは、小林カツ代シリーズになる。料理一年生ではないけれど、味付けの勘所だとか、おいしくなるひと工夫を、ピンポイントで教えてくれるから。3~4人ぐらいだと、彼女のレシピが一番いい。 ところが書は、趣が違う。わたし+誰かのための料理ではなく、わたしだけの美味、ひとりごはんを目指してるところ。いつもの家族向けというより、一人暮らしの自炊の味方となっている。ひとりだと、節約+満腹に目が行きがちだが、彼女のポリシーだと、「ひとりのご飯こそ贅沢においしく」になる。結果、料理のラインナップは、かなりユニークだ。 たとえば一品目、すき焼き。ひとりすき焼き!? 鍋物って大人数で囲むイメージが崩れさる。しかも、ポイントがシンプルだ。すき焼きで大事なのは、「葱は必ず焼きつける」だそうな。一以上、斜めに切って、びっしり鍋底に敷きつ

    自炊の味方『小林カツ代のお料理入門』
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    orealt 2015/04/15
  • ホラー映画から学ぶ『恐怖の作法』

    当に怖いものとは何か?ホラー映画技術を通じて知る、恐怖の質。後半は、観客や読者を怖がらせるための、恐怖のデザイン・パターン論。 ホラー映画という確立されたジャンルにおいて、当に怖いものは稀だ。ゾンビや殺人鬼が出てきても、恐怖(fear)というより驚愕(surprise)の印象が強い。わたし自身、そういうオバケ屋敷的なエグさや嫌悪感は大好物。 しかし、著者によると、それは「当に怖いもの=ファンデメンタルな恐怖」ではないという。著者はJホラーの小中千昭。脚や演出における手の内を惜しみなく晒しながら、「当の怖さ」とは何かを伝える。恐怖は確かに伝染するが、その伝染の作法は、「驚愕」とは限らないのだ。 当に怖いとき、人はどうなるか?映画『リング』の観客が顕著だったという。著者は、映画のスクリーンではなく、「映画を見る人たち」をこっそり観察したのだ。 観客の姿勢は、徐々に腰を前方にずり

    ホラー映画から学ぶ『恐怖の作法』
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    orealt 2014/08/04
  • コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』

    「嘘つきは経済学者の始まり」という諺があるが、コンサルタントも入れるべき。 中の人として働いたことがあるので、その手法は分かってる(まとめ:[そろそろコンサルタントについて一言いっておくか])。だから書は、徹頭徹尾、黒い笑いが止まらない。騙される幹部が悪いのだが、振り回される社員はたまったものではない。ファームであれジコケーハツであれ、理論武装を「外」に求める人は、予習しておこう。あるいは、コンサルティングを「説得の技術」と捉え、逆にそこから学ぼう。 書は、マジシャンが種明かしするようなもの。コンサルタントの方法論である「適応戦略」や「最適化プロセス」「業績管理システム」は、役に立たないどころか、悪影響にもなると暴きたてる。著者は経営コンサル業界で30年も働いて、いいかげんこの「お芝居」にウンザリして、懺悔の名を借りた曝露を出したという。その具体例が生々しい&おぞましい&あるある。

    コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』
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    orealt 2014/04/23
  • 結婚は素晴らしい v.s. 結婚は人生の墓場

    オススメを持ち寄って、まったりアツく語り合うスゴオフ。今回は「結婚」をテーマにした作品が集まったぞ。シーサー株式会社の一室を会場にして、結婚に夢を抱いている未婚の方も、結婚にだいぶ疲れた既婚の方も、生々しい話に及ぶ。 今回はいつもと違って、二つのアプローチから選んでもらった。すなわち、「結婚は素晴らしい」という肯定派と、「結婚人生の墓場だ」という否定派だ。 最初は、結婚のダークサイドな作品が中心に紹介されていたけれど、後半になるに従って、結婚をポジティブに捉えたが続々と出てくる。そういや、「結婚人生の墓場」という人には、「夜は墓場で運動会」と返しなさいって、ばっちゃが言ってた。 著者対決も面白い。林真理子のネガティブv.s.西原理恵子のポジティブを並べてみると、如実に出てくる。ゴジラ対ガメラの対決じみてて面白い。どっちに軍配が上がるかはレポートしているので、ご自身で判断してほしい

    結婚は素晴らしい v.s. 結婚は人生の墓場
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    orealt 2013/05/27
  • この本がスゴい!2011

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 このブログのタイトルは、「わたしが知らないスゴは、きっとあなたが読んでいる」。そして、このブログの目的は、「あなた」を探すこと。ともすると似たばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしたり、twitterやfacebookやtumblrで呟いたり、「これを読まずして語るな!」と叩いたり―――そんな「あなた」を探すのが、このブログの究極の目的だ。 昨年までの探索結果は、以下の通り。 このがスゴい!2010 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい!2006 このがスゴい!2005 このがスゴい!2004 昨年から始めたオフ会で、たくさんの気づきとオススメと出会いを、「あなた」からもらっている。目の前でチカラ強くプッシュしてもらったり、物語談義を丁々と続けたり

    この本がスゴい!2011
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    orealt 2011/12/01
  • この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる

    今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 ともすると似たようなばかりに淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」と教えていただいたおかげ。もちろん、好きなだけ・屋さんだけで完結しても問題ない。それでも全部読むのに一生以上かかるだろう。だけど、自分の地平を拡張するため、あえて知らない趣味、行かない場所に足を運ぶ。その収穫が、沢山の「あなた」からのオススメになる。昨年までの探索結果はこの通り。 このがスゴい!2009 このがスゴい!2008 このがスゴい!2007 このがスゴい!2006 このがスゴい!2005 このがスゴい!2004 さらに、今年は「スゴ」のチャネルを増やしたぞ。「スゴオフ」と銘打って、リアルでの交流を図ってきた(直近だとスゴオフ@ミステリを12/3にするよ)。ネット越しと違うのは、圧倒的な情報量。おすすめをプッシュする熱とエントロピーが

    この本がスゴい2010: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
  • 脱怒ハック「怒りについて」

    怒らずに生きる技術。つまらないことにイライラせずに生きたいもの。 実をいうと、わたしはかなり怒りっぽい。頭からっぽの政治家に毒づき、無脳なキャスターは○ねばいいのにと気でヒートアップする。子どもの反発に腹を立て、嫁さんと口論しては感情的になる。朝から晩までプリプリしてる日もある。 だからこそ、怒らずに生きるにはどうすればいいか、考えて、読んで、試した。その過程+とりあえずの結論は、「怒らないこと」はスゴや、正しい怒り方になる。左記のエントリには書かなかったけれど、コヴィー「7つの習慣」とアーヴィンジャー「箱」にはお世話になったっけ。 そして今回、ローマの賢者・セネカの「怒りについて」で思った、これは「脱怒ハック」だってね。怒りそうになったら、脱兎のごとく逃げ出そう。これぞ脱怒ハックなり。つまり、怒りに満ちた人生を脱出するための技術が(おぞましい具体例つきで)紹介されているのだ。「怒る技

    脱怒ハック「怒りについて」
  • スゴ本100

    いつのまにか1000エントリ超えてたので、ここらで100に絞ってみる。 このblogで「スゴ」認定されたもの、企画「この○○がスゴい」で挙げられたものを、100にまとめてご紹介。順序適当、偏見なし、ビジネス、サイエンス、エロマンガ。ブンガク、ビジュアル、なんでもアリ、啓蒙、アダルト、劇薬なんでもござれ。「ノンフィクション」、「フィクション」、そして「劇薬系・成人指定」の三立てでご紹介。番号は便宜上つけたものなので、ランキングにあらず。 こんなにスゴいに出合えたのは、すべてあなたのおかげ。いいはたくさんあるのだが、全部読んでるヒマもないし、探している時間も足りない。だからわたしは、スゴいを読んでいる「あなた」を探す。あるいはこのblogにやってきた「あなた」の言を待つ。そうしたツッコミやアドバイスをいただき、とても感謝しています。 この100リスト全て鉄板モノだが、「それをスゴ

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