私たちは優しい人間でありたいと思うけれど、それはとても難しい。 正確に言えば、 誰もかもが実は優しい人間で、 だからこそ自分が優しい人間であると言うことが難しい。 非常に残忍に見えるあの人も、 非常に冷酷に見えるあの集団も、 彼ら自身だったり、 彼らの仲間だったり、 彼らの国だったり、 彼らの宗教だったり に対してとても優しいだけ。 ただ、私たちが思う優しさの範囲を持っていないだけ。 私たちが彼らの優しさの範囲に入れていないだけ。 だから、実は彼らも優しい人たち。 これは別に変なことではなくて、私たちだって同じ。 犬や猫に優しい人が、必ずしも蚊やゴキブリやバイ菌に優しいわけじゃない。 その人にとっては犬や猫が優しさの範囲に入っていて、蚊やゴキブリやバイ菌は優しさの範囲外なだけ。 かといって、動物嫌いで犬や猫に優しくない人が、人に対して優しくないわけでもない。 どこまでが優しさの範囲なのかが