小型国語辞典では売り上げ1位の『新明解国語辞典』(三省堂)の第7版が刊行された。「新明解」は個性的な解釈で多くの「愛読者」を持つ。その代表として、『新解さんの読み方』の著者に思いを寄せてもらった。2位の『岩波国語辞典』(岩波書店)の新しい版も11月に出た。合わせて魅力を探った。 ◇ 新解さんの本名は、新明解国語辞典(三省堂刊)といって、日本で一番売れている国語辞典です。今月一日に第七版が出たので、わたしは朝から晩まで、電車の中でも昼休みでも新解さんを引いている。どこがどう変わり、何が残ったのか調べないと気が済まない。 「新解さんの魅力は何ですか?」と訊(き)かれたら、「それは、自分で引いてみると誰でも宝探しの楽しさを味わえることです」と、大きな声で答えたい。新解さんの宝は、語釈、用例、運用欄、序、歴史的かなづかいの文章に埋めてあるので、とにかく引けばすぐわかる。「読書」「恋愛」「性交」の語