関西水俣病訴訟で水俣病とされた大阪府の女性(86)(熊本県水俣市出身)が行政上の患者認定を求めた訴訟で、請求を退けて逆転敗訴とした12日の大阪高裁判決は、国の認定基準を相当とした理由を「当時の最新の医学的知見に基づいて策定され、現在も異なる事情は実証されておらず、十分な合理性がある」と述べた。女性側は上告する方針。 水俣市の別の女性の遺族が起こした同種訴訟の福岡高裁判決(2月)は国の認定基準を否定しており、高裁レベルで判断が分かれた。 判決で坂本倫城(みちき)裁判長は、感覚障害以外に視野狭窄(きょうさく)など別の症状が必要とする国の認定基準について「感覚障害だけ(の認定)では、水俣病でないものを水俣病として取り込むおそれが強く、慎重な考慮が必要」と述べ、肯定。女性が水俣病が原因と主張したしびれ(感覚障害)についても、首の骨の変形による可能性があると指摘した。 一方、認定基準が、複数の症状が