『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日間』鑑賞。 『グリーン・デスティニー』『ラスト、コーション』のアン・リー監督新作。 世界最古の子供向け童話集はインドで西暦200年前後にサンスクリット語で書かれた「パンチャタントラ物語」だそうです。王族の子供向けに、生臭い駆け引きや、弱者を尊ぶ心象などをネズミやワニといった動物に置き換えて語ったものです。インドではものすごく早い時代から「子供の情操教育」という観念があって、混み入った生々しい話を動物に象徴させて語るというテクニックを生みだしていた事が解ります。嫁のわがままで親友を殺そうとする物語は、子供にそのまま語るにはいささか陰惨な話になってしまいます。しかし、おっとりとしたワニと親友のサル*1、という様に動物へ置き換えることで話の持つ本質は損なわず、生々しさを取り除くことができます。 『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日間』の主人公「