日本のクラウド前夜、「さくらのクラウド」前夜 「さくらさんでもやらないの?」――2009年7月からさくらインターネット研究所の所長を務めていた鷲北賢氏は、AWS(Amazon Web Services)がEC2を開始してからというもの、こんな言葉を度々かけられていたという。今でこそクラウドサービス事業者として認知されているさくらインターネットだが、当時はホスティングサーバ事業一本に力を注いでいた。「さくらのクラウド」は、いかにして誕生したのだろうか? 鷲北氏は次のように振り返る。 AWSが登場したころ、「Xen」をはじめとする仮想化技術が注目を集め、その延長線上でEC2を始めとするクラウドサービスに関心を持つエンジニアはたくさんいた。しかし、世間一般では「外部にシステムを預けるなんてとんでもない」「データが海外にあるなんて大丈夫なの?」と、まだまだ懐疑的な意見も根強かったのだという。さくら