ブックマーク / jp.ign.com (64)

  • 「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE」はなぜ議論を呼んだのか?野原一家が見せた平成の欺瞞と敗北

    記事には、『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』のネタバレが含まれる。 「クレヨンしんちゃん」の新作映画であり、劇場用作品としては初めて3DCGで制作された『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』について、さまざまな意見が飛び交っている。 実際に私も作を鑑賞して、もやもやしたものが後に残った。映画館を出て、エスカレーターを降りながら私はこのもやもやの理由を考える。この映画は『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と同じ轍を踏んでいるのではないか、というところまで考え、映画館のエスカレーターを降りながらスマートフォンの電源を入れる。画面に現れたニュースを見て、私はハッとする。それは、2025年の大阪万博のパビリオン建設が難航しているというニュースだった。見出しを読んで、私はこのもやもやの最も

    「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE」はなぜ議論を呼んだのか?野原一家が見せた平成の欺瞞と敗北
  • 『AKIRA』「攻殻機動隊」「パトレイバー」など都市や建物を描いたアニメの背景美術が一堂に 企画展「アニメ背景美術に描かれた都市」が金沢で開幕

    都市や建物が描かれたアニメーションの背景美術を展示する、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館の第7回企画展「アニメ背景美術に描かれた都市」が6月17日に開幕。16日には金沢市にある谷口吉郎・吉生記念金沢建築館でアニメの美術監督によるフォーラムも開かれ、キャラクターたちが動き回るアニメの舞台として精緻に描かれた、背景美術の都市や建物がどのような意味を持っているかが語られた。 「アニメはキャラクターとストーリーが大切だが、キャラクターなしで背景美術だけで物語を伝えることが出来る作品もある」。ドイツのアートキュレーターで、日のアニメ作品で使われた背景美術の展覧会を海外で開き、『アニメ建築 傑作背景美術の制作プロセス』という著書も刊行したシュテファン・リーケレスはこう話して、アニメの背景美術が持つ役割の奥深さを説明した。 展覧会の狙いや見どころを話すシュテファン・リーケレス。 「『GHOST IN T

    『AKIRA』「攻殻機動隊」「パトレイバー」など都市や建物を描いたアニメの背景美術が一堂に 企画展「アニメ背景美術に描かれた都市」が金沢で開幕
  • 大きな反発も生んだ香川県ゲーム条例の今、そして条例を追い続ける理由とは 書籍「ルポ ゲーム条例」の著者に訊く

    2020年、香川県議会で「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」(通称「ゲーム条例」)が可決された。条例は、ネット・ゲーム依存症から子どもたちを守るため、ゲームは1日60分(学校等の休業日にあたっては90分)などの目安を示し、保護者がそれを遵守するよう努めなければならないといったいくつかの施策を示したものだ。条例の制定を受け、子どもの権利侵害の問題や行政による家庭教育への介入の問題、60分という数字の科学的根拠の希薄さなどについてSNSでは議論が巻き起こり、条例の存在は全国的に周知されることとなった。 また、条例制定に先だって募集されたパブリックコメントでは賛成の意見が8割以上を占めたとの発表があり、条例成立の根拠のひとつとされたものの、賛成とされる意見が書かれた複数のコメントに共通の誤字が見られるなど、内容には不審な点が多く見られた。 KSB瀬戸内海放送記者である山下洋平氏はこのパブ

    大きな反発も生んだ香川県ゲーム条例の今、そして条例を追い続ける理由とは 書籍「ルポ ゲーム条例」の著者に訊く
  • AI搭載版『ポートピア連続殺人事件』が4月24日にSteamで無料配信決定、『THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE』として名作ADVが蘇る スクエニAI部に経緯を訊いた

    スクウェア・エニックスは、堀井雄二氏が手掛けた『ポートピア連続殺人事件』を題材に、先端AI技術を搭載したテックプレビュー『SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE』を2023年4月24日にSteamにて無料配信すると発表した。また公式サイトをオープンしている。 AIの一分野である自然言語処理(NLP)の技術を使った「NLPアドベンチャー」と銘打っており、日英の言語に対応している。 「THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE」とは 『SQUARE ENIX AI Tech Preview: THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE』(以下、THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE)は、『ドラゴンクエスト』シリーズで知られる堀井雄二氏が手掛けたADV

    AI搭載版『ポートピア連続殺人事件』が4月24日にSteamで無料配信決定、『THE PORTOPIA SERIAL MURDER CASE』として名作ADVが蘇る スクエニAI部に経緯を訊いた
  • なぜゲームで行う“わるい行為”は魅力的なのか?『ホグワーツ・レガシー』から見る「正しさへの違和感」

    私が『ホグワーツ・レガシー』を遊んでいて気づいたのは、「自分は闇の魔法使いになりたいのだな」ということだった。 「ハリー・ポッター」シリーズを知らなかった私は、この世界にあるさまざまな魔法が(現実世界における)違法行為に使えるものばかりではないかと驚いた。ピッキングで鍵を開けてしまう「アロホモラ」はもちろん、人を殺せる「アバダケダブラ」に至っては直球である。 しかし、作においてプレイヤーは犯罪行為ができない。このゲームはオープンワールドのアクションRPGだが極めてリニアで、プレイヤーは良い子に矯正されてしまうのだ。前述のように犯罪のような魔法を使ったり、物を盗んだり、他人を悪く言う選択肢はあるものの、基は悪をくじく善人で、咎められることもほとんどない。 こうなると、私はますます悪いことをしたくなってしまう。とはいえ、そもそも犯罪行為は(現実世界では)リスクの高い行為であり、倫理的にもや

    なぜゲームで行う“わるい行為”は魅力的なのか?『ホグワーツ・レガシー』から見る「正しさへの違和感」
    osyamannbe
    osyamannbe 2023/03/13
    例の手男の大谷選手への言及をみるにリアルでも「ワルい奴じゃないと魅力が無い」と考える人間は思ったよりも多いようですよ。
  • 「積みゲー」と楽しく付き合うための心得 自分なりのやり方で、積みゲーの海を泳ぎ渡ろう

    購入したにもかかわらず未プレイのゲームが溜まってゆく、いわゆる「積みゲー」の存在は、昔から我々ゲーマーを悩ませてきました。一生かけても消化しきれないほどのゲームを既に所有してしまっている人も、珍しくないでしょう。(Xbox Game Passなどのサブスクサービスが、この状況に拍車をかけています) 一方、誰もがゲームに長い時間を費やせるわけではありません。仕事育児の合間を縫ってプレイする人、他にも趣味がある人……、人によって様々な事情があります。(筆者自身、育児に奮闘する父親でもあります) そういった状況の中で、未プレイのゲームが積み上がることを心の重荷に感じたり、積みゲーを「消化」しなければ、という義務感だけでプレイしたりして、ビデオゲームを楽しめなくなってしまうのは、良いことではありません。 記事では、「積みゲーと楽しく付き合うための心得」を、自分自身の経験や実践も含めて紹介します

    「積みゲー」と楽しく付き合うための心得 自分なりのやり方で、積みゲーの海を泳ぎ渡ろう
  • アニメ『チェンソーマン』制作のMAPPA、藤本タツキ作品は自社ですべてアニメ化したい考え IGNフランスによるインタビューで明かす

    MAPPAはインタビューで「藤先生の作品はすべて読んでいます。(藤先生の作品は)すべてMAPPAでアニメ化したいなという思いはあります」と答えており、『チェンソーマン』以外の藤本タツキ作品のアニメ化にも強い関心を示している。 『チェンソーマン』は、劣悪な環境で育った主人公の青年デンジが、「チェンソーの悪魔」ポチタと契約して不死身の体を手に入れ、悪魔を狩るデビルハンターとして壮絶な戦いを繰り広げる物語。 藤本タツキは、ほかにも個性的な世界観の作品をいくつも手掛けている。文明が崩壊した世界で消えない炎に焼かれながら生き続ける少年を描いた『ファイアパンチ』(2016年4月~2018年1月まで少年ジャンプ+に連載)。世界を滅ぼすと恐れられる角の生えた少女ナユタとその兄の日常を描く『予言のナユタ』(2015年8月号のジャンプスクエアに読み切りで掲載)などがある。

    アニメ『チェンソーマン』制作のMAPPA、藤本タツキ作品は自社ですべてアニメ化したい考え IGNフランスによるインタビューで明かす
    osyamannbe
    osyamannbe 2022/08/18
    さよえり劇場版の波動を感じる…
  • 『Minecraft』の動画で有名なYouTuberのTechnobladeが23歳で死去

    Minecraft』の動画で有名なYouTuberのTechnoblade(名アレックス)が、ステージ4の癌と闘病の末に23歳で死去した。彼のYouTubeチャンネルの登録者数は1080万人を超えていた。 これを受けて、Technobladeの父親が彼からのメッセージを読み上げる心に響くお別れ動画が公開された。そのなかでTechnobladeは、コンテンツを発信してきた9年間、継続的にサポートをしてくれたファンに感謝している。 「もし100回生きられるとしたら、毎回Technobladeとして生きることを選ぶと思う。人生でいちばん幸せな時間だったからね。僕のコンテンツを観て楽しんで、笑ってもらえてたらうれしいよ。皆末永く、順調に幸せに生きていってくれ。なんたって皆のことが最高に大好きだからさ。Technoblade、通信終了」 ”もし100回生きられるとしたら、毎回Technoblad

    『Minecraft』の動画で有名なYouTuberのTechnobladeが23歳で死去
  • なぜ、わざわざゲームを酷評する必要があるの?【ゲームライターの日常 S3】

    IGN JAPANに掲載されたとある低評価なレビューに対し、「なんでそこまでのゲームをわざわざレビューしなければならなかったの?」という感想が書かれていました。 なるほど確かに、酷評はゲーム開発者も心を痛めるでしょうし、いいゲームだけを知りたい読者にとっては不要でしょう。そのゲームが好きな読者にとっては不快かもしれませんし、低評価をつけるライターだってその行為に緊張するかもしれません。 ゲームを低く評価するなんて行為はたいていつらいものですし、下手をすれば恨みを買う可能性もあるわけで、しないほうがいいと考えるのもわからなくもありません。では、なぜわざわざそんなことをするのか、改めて考えてみましょう。 書く側の「酷評レビューが必要な理由」 『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』(2021) 作にも低評価をつけましたが、遊ぶまでここまでの結果になるとは思っていま

    なぜ、わざわざゲームを酷評する必要があるの?【ゲームライターの日常 S3】
    osyamannbe
    osyamannbe 2022/07/04
    記事内のコメント欄で戦争起こってて草
  • ゲームにおける精神疾患の誠実な扱いとはなにか?――精神疾患の当事者による『NEEDY GIRL OVERDOSE』に感じる問題点

    NEEDY GIRL OVERDOSE』をプレイしていると、薬物や精神障害をとてもカジュアルに扱うことへの違和感が拭えなかった。一言でいうと作の精神疾患と服薬の取り扱いは不適切で、精神疾患を患う者を見世物として描いているからだ。 見世物にされる “精神を病み、薬を飲むかわいい女の子” 『NEEDY GIRL OVERDOSE』はWindows XPを模したOS「Windose20」という疑似パソコンのデスクトップで、主人公の「あめちゃん」を “インターネットエンジェル”という超有名配信者に仕立てるべくパラメーターを管理しながら多様なコマンドを選択していく育成シミュレーションゲームだ。 作は話題の作品だが、ただ絶賛されてよい内容ではない。違和感を持つプレイヤーも確かにいる。私自身ここまで強く感じるのも、自分が双極性障害を患っているからだ。私だけではなく、半同棲中の婚約者もまた心の病を抱

    ゲームにおける精神疾患の誠実な扱いとはなにか?――精神疾患の当事者による『NEEDY GIRL OVERDOSE』に感じる問題点
  • ポケモンとしては革新的な傑作、現代のRPGとしては三流──『Pokémon LEGENDS アルセウス』レビュー

    私は『Pokémon LEGENDS アルセウス』(以下、「アルセウス」と表記)の長所を100個言うことができる。同時に、作の短所についても100個くらいは指摘できる。 「アルセウス」は「ポケットモンスター」シリーズとしては極めて革新的だ。一方、現代の大規模なRPGとしてみると明らかに十数歩遅れているともいえる。 ビデオゲームの評価は視点によって変化するものだが、それにしても「アルセウス」は体験した人によってどう映るかかなり変わってくる作品だ。それこそ、自身のタイプを自在に変えることのできる幻のポケモン、アルセウスのように。 「ポケットモンスター」シリーズの新たな挑戦となる一作 作は「ポケットモンスター」シリーズの新たな可能性として制作されたゲームであり、古典的なRPGにアクション要素が追加されているのが最大の特徴だ。開発元のゲームフリークにとっても挑戦的なタイトルになるのだろう。 ま

    ポケモンとしては革新的な傑作、現代のRPGとしては三流──『Pokémon LEGENDS アルセウス』レビュー
  • ポケモン本編シリーズでワースト、懐かしさだけが救い ── 『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』レビュー

    ああ、2006年当時にニンテンドーDSで『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』を遊んだ人ががうらやましい。「このゲームがはじめてのポケモンだった」なんて人に対しては、もはや嫉妬すら覚える。 なぜなら、2021年11月19日に発売された 『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』(以下、「ポケモンBDSP」)を楽しむには、ノスタルジアが必須だからだ。 いや、もっと正確にいうのであれば、原作を懐かしむ気持ちがなければ「ポケモンBDSP」は遊ばなくてもよいといえるだろう。なぜなら、作の長所はそれしかないからである。 グラフィックから見る「原作尊重リメイクの失敗」 前述のように、「ポケモンBDSP」は15年前に発売された『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』のリメイク作である。開発はイルカが担当しており、つまり「ポケットモンスター」編シリーズにおいて珍しく

    ポケモン本編シリーズでワースト、懐かしさだけが救い ── 『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』レビュー
    osyamannbe
    osyamannbe 2021/11/27
    ゲーフリが作って「時代遅れ・技術力不足」とさんざん各作品が揶揄されて来たシリーズが、外注リメイクした結果もっと微妙な出来になるという哀しいオチ。
  • 最先端のジャンルがゲームにも「ローファイ・ヒップホップ」特集(前編):ゲーム音楽ディスクステーション第5回

    ローファイ・ヒップホップとは? ご存じない方に説明するなら、ゆったりしたビートとほんのりジャジーなフレーズが織りなす「癒やしのインスト・ヒップホップ」といったところでしょうか。ヒップホップと言いつつも、実はその文化の中から生まれたものではなく、主な支持層はこれ系のサントラに郷愁を感じる00年代アニメ世代、あるいは「作業用BGM」として魅せられた若いYouTubeリスナーなどだったりします。ヒップホップ流との結び付きは、あくまでも気だるいビートだけで、音楽的にはむしろVaporwaveの後裔的な位置にあるといえるでしょう。霞がかったノスタルジックな音像や、ビジュアルイメージと一体化したサウンドの扱いなどには、確かにVaporwaveの影響を感じることができます。 さて、そんなローファイ・ヒップホップですが、最近これにゲーム音楽が接近しつつあります。ムーブメントとしてのローファイ・ヒップホッ

    最先端のジャンルがゲームにも「ローファイ・ヒップホップ」特集(前編):ゲーム音楽ディスクステーション第5回
    osyamannbe
    osyamannbe 2021/09/28
    ムーブメントの根っこにはP5"beneath the mask"の流行がある気がするけど、アレは厳密にはジャンル違いってことなんですかね。nu jazzとかacid寄りなのかな
  • 『竜とそばかすの姫』レビュー 現代における『美女と野獣』の寓話を語りましょう

    それはむかしむかしのお話です。あるところに少女を革命する物語を演出したり電脳世界でモンスターを描くことで有名になった作家がおりました。作家はその巧みな演出力により、夏を舞台とした物語で評判を呼び、国を代表する作家の後継者と呼ばれました。 やがて作家はたくさんの人が関わる大きな物語にかかわるようになります。しかし国を代表する作家を引き継ぐ等と煽られ、当の姿を覆い隠す野獣へと変貌していきました。 野獣となってから生み出した物語は、どれも表向きは豪華で明るい物語です。しかし多くの人が関わって語られることで、明らかに彼自身の音が覆い隠されてしまいました。これまで野獣を支えていた脚家もいなくなり、野獣自身が物語を書くようになってから、どんどん登場人物たちの性格や行動が破綻していくようになります。 これではいけないと思ったのでしょう。野獣は状況を変えるためか、歌の優れた美女のこと聞きつけます。彼

    『竜とそばかすの姫』レビュー 現代における『美女と野獣』の寓話を語りましょう
  • 宮本茂の下で働いた32年間――「スターフォックス」や「F-ZERO」の今村孝矢が任天堂時代を振り返るロングインタビュー

    32年間を経て、今村孝矢さんは任天堂を退社した。「スターフォックス」、「F-ZERO」、『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』など、今となってはゲームの古典と言える傑作の数々に携わっていた今村さんの退社は、自身のツイートをきっかけに世界中のゲーマーの間で話題となった。今後は大阪国際工科専門職大学でCGアニメーションを含むデジタルコンテンツを教えつつ、フリーランスでも活動を続けると言う。 今村さんの今後の活躍について別のインタビュー記事で詳しく聞いているのでぜひチェックしてほしいが、インタビューでは任天堂時代を振り返ってもらった。 今村孝矢さん。 32年間という、筆者にはおよそ想像もできないほど長い間をどのように振り返るのかを尋ねた。今村さんはしばらく考えてから、このように答えた。 「思えば、ずっと宮さんの下で働いた32年間でしたね」と。 マリオやゼルダの生みの親として知られる宮茂さんが20

    宮本茂の下で働いた32年間――「スターフォックス」や「F-ZERO」の今村孝矢が任天堂時代を振り返るロングインタビュー
  • 2021年のGOTY候補にして、協力プレイゲームの傑作 “飽き”と最も縁遠く、遊んだ相手との絆が深まるゲーム 『It Takes Two』レビュー

    と『It Takes Two』を遊んだこの一週間は、とても心が満ち足りるものであった。幼い子供が寝たスキを見計らって一緒にゲームをプレイし、小声で(時に大きな声が出てしまい子供を起こしてしまいながらも)盛り上がった。 たとえどうしようもないゲームであっても誰かと一緒にCo-op(協力プレイ)すればたいていおもしろくなるが、作はその対極にあるといえる。公式サイトには「Co-opの完成形」と書かれているが、その言葉に偽りはない。私が遊んできたなかで最も優れていて、贅沢で、美しい協力プレイのゲームだ。 そんな『It Takes Two』を作り上げたのは、スウェーデンのゲームデベロッパーHazelight。ディレクターはもちろん、映画監督でありながらゲームの魅力に気づいたジョセフ・ファレスだ。『ブラザーズ : 2人の息子の物語』や『A Way Out』に続く作もまた、注目すべき一作に仕上がっ

    2021年のGOTY候補にして、協力プレイゲームの傑作 “飽き”と最も縁遠く、遊んだ相手との絆が深まるゲーム 『It Takes Two』レビュー
  • 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』レビュー かつて監督自身が引き起こした巨大な「インパクト」にケリをつけた作品

    筆者は、『新世紀エヴァンゲリオン』にハマった世代だ。だから、ニュートラルに『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を評価することはできない。主観的な印象としては、10点満点中で350万点ぐらいの作品なのだが、『新劇場版』から入り、『破』が一番好きだという観客にとっては意味不明で3点ぐらいの作品なのではないかと危惧もしている。 だから、レビューは、いわゆるニュートラルで客観的なレビューではないかもしれない。かつて、『新世紀エヴァンゲリオン』にハマり、人生の道すら踏み外してしまったかもしれない一人の人間として、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に向き合って絞り出した感想のようなものだ。 ネタバレを遠慮なく行ってしまうので、未見の方がレビューを読むことは推奨しない。まずは自分の眼で見に行くことを強くオススメする。 世界を終わらせる物語ではなく、生命を育もうとする物語を描く 初見の印象は、大満足で、期待

    『シン・エヴァンゲリオン劇場版』レビュー かつて監督自身が引き起こした巨大な「インパクト」にケリをつけた作品
    osyamannbe
    osyamannbe 2021/03/13
    >『新劇場版』から入り、『破』が一番好きだという観客にとっては意味不明で3点ぐらいの作品なのではないかと危惧もしている。
  • やり場のない悲しみと冒険の楽しさに満ちた世界を旅する、ソウルライクでメトロイドヴァニアな2DアクションRPG『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』

    真っ白な少女と無骨な騎士、血みどろで儚げな旅路、強敵たちとの死闘とその末の物悲しさ。『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』は素敵なコントラストに満ちたダークファンタジー2DアクションRPGである。作は早期アクセスの段階ながら、すでにソウルライクでメトロイドヴァニアな魅力を存分に味わえる作品となっている。 作の舞台は、人を理性なき怪物「穢者」へと変える「死の雨」によって滅んだ王国「果ての国」。その片隅にて目覚めた記憶なき少女「リリィ」が肉体なき「不死の騎士」をお供として果ての国を巡り、自身の過去と世界の謎を解き明かしていくという物語となる。 ぶっきらぼうながらも優しく、面倒見が良い騎士。言葉を話さないリリィの気持ちを汲み取るような彼の発言も作の魅力の一つとなる。 そして、果ての国は探索の喜びに満ちた場所。作の探索要素についてはメトロイドヴァニアを

    やり場のない悲しみと冒険の楽しさに満ちた世界を旅する、ソウルライクでメトロイドヴァニアな2DアクションRPG『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』
    osyamannbe
    osyamannbe 2021/03/03
    おっモモドラ路線で精神的後継作きたか!?(本家が出してるminoriaも名作です)
  • SF史に残る(べき)ゲームたち:第21回『The Stanley Parable』――自由と解放の(ゲームにおける)ジレンマ

    『The Stanley Parable』は、2011年に『ハーフライフ2』のMODとして公開され、2013年にリメイク版が公開されたメタフィクションゲームである。数々の賞を受賞した、インディーゲームの金字塔的な傑作だと言っていい。2019年には『The Stanley Parable: Ultra Deluxe』の公開も控えている。 厳密に言えばSF(科学的なフィクション)とは言い難いのだけれど、日SFでは歴史的に、メディア・テクノロジーそれ自体を問題にすることが多く、必然的にメタフィクション(フィクションのあり方自体を問うフィクション)の技法と混ざり合うことが多かったので、作もその視点から、メディア・テクノロジーと人間の関係性を問うSFのバリエーションとして扱うことが可能だと考えている。 とはいえ、作はそのような難しい作品というよりは、明るく笑えるギャグ作品である。論を読んであ

    SF史に残る(べき)ゲームたち:第21回『The Stanley Parable』――自由と解放の(ゲームにおける)ジレンマ
  • SF史に残る(べき)ゲームたち:第11回『S.T.A.L.K.E.R SHADOW OF CHERNOBYL』――原発事故をゲーム化するための倫理

    『S.T.A.L.K.E.R SHADOW OF CHERNOBYL』(以下、『S.T.A.L.K.E.R』)は、ウクライナゲーム開発会社GSC GAME WORLDが2007年に発売したFPSである。 多くの評者が述べているように、画面の旧共産圏的な暗さや、退廃的な画面とフィールドの美しさ、資源が足りないが故のサバイバル感が作の重要な魅力であり、他では味わえないものとなっている。独特の孤独感、寂寥感、欠乏感の味わいは、実に素晴らしい。 地域とゲームとの関係で言えば、そのような内容が、ウクライナという地域の文化に由来している、と論じることもできるだろう。だが、今回はその論点は深くは掘らない。代わりに深く論じてみたいのは、「チェルノブイリ原発事故を題材にしたゲーム」であることと、作がSF小説映画から継承したものとの関係である。そこにこそ、現実に起こった悲劇をゲーム化する際の倫理と技術

    SF史に残る(べき)ゲームたち:第11回『S.T.A.L.K.E.R SHADOW OF CHERNOBYL』――原発事故をゲーム化するための倫理