唐の第2代皇帝である太宗(たいそう)が、避暑のため離宮の九成宮を訪れた際、水資源が乏しい地にもかかわらず、敷地内に清水が湧き出ているのを発見。これを吉兆と喜び、撰文を魏徴(ぎちょう)、書を欧陽詢(おうようじゅん)に命じて立碑したものです。 楷書美の典型のひとつで「楷書の極則」と言われています。直線を主体とした点画はゆるぎなく、縦長で凛とした姿態は実に美しいものがあります。 唐時代には多くの書家が活躍しましたが、なかでも傑出していたのが欧陽詢、虞世南(ぐせいなん)、褚遂良(ちょすいりょう)でした。これらの書家に中唐期の顔真卿(がんしんけい)を加えて、「唐の四大家」とも言います。 「大唐三蔵聖教序」と「大唐三蔵聖教序記」の対となる2つの石碑の総称で、高さは2メートルくらいあります。陝西省西安の慈恩寺の大雁塔入口に現存します。 「西遊記」で有名な三蔵法師(玄奘)が、17年の歳月をかけ、インドや西