象形。「矢」に区別のための筆画を加えた異体字[字源 1]。仮借して十二支の3番目を意味する漢語{寅 /*lin/}に用いる。 金文や小篆の形を根拠として「矢」+「𦥑」(両手)と分析する説があった[字源 2]が、これは誤った分析である。甲骨文字の形[字源 3]を見ればわかるように「𦥑」とは関係がない。 ↑ 朱芳圃 「殷周文字釈叢」 中華書局、1962年、44-45頁。 于省吾 「釈古文字中付画因声指事字的一例」 『甲骨文字釈林』 中華書局、1979年、452-453頁。 季旭昇撰 『説文新証』 芸文印書館、2014年、976-977頁。 林志強等評注 『《文源》評注』 中国社会科学出版社、2017年、80-81頁。 ↑ 林義光 『文源』 1920年、第2巻3頁。 ↑ 李宗焜編著 『甲骨文字編』 中華書局、2012年、956-958頁。 劉釗主編 『新甲骨文編(増訂本)』 福建人民出版社、