さてお立会い! どちらさんも耳の穴カッポじってよく聞きな! 目の程はよ~く擦って目ヤ二なんか付けちゃあいけねえ、3年程目を閉じないで聞いとくれ。 世の中に名人上手と言う人は、こりゃあそれぞれ数あるもんでして、その道の上手という事は人並みよりも特段に技量が、それは有る。 その辺の素人やちょっとかじりの半端を驚かす事ぐらい朝飯前で、超人的な事を平気でやってのける。まあその辺の半端に引導を渡すに刃物は入らぬ、芸と技量で滅多切りと言うもんだ。 さてその名人、以前紹介した事のある堂前君という青年だ。凄腕の若手でここいらでは前に出るものがおりません。何がどうあっても遮るものなど無い事です。どう凄腕かと言いますとこれが世間ではこう評されております。 「あの男は小学校のプールでチヌを釣る」 「ダム湖で鯛を釣る」 等と言われまして、おるはずの無いところでもあれだけ根をつめて一所