概要 蛋白質のX線結晶構造解析において、蛋白質結晶の作製は必須のステップである。通常、百から千程度の結晶化条件をスクリーニングし、目的蛋白質が結晶化する条件を探索する。しかしながら、多くの蛋白質が結晶化スクリーニングを行った後でも結晶化せず、結晶構造決定のボトルネックとなっている。これまでに、結晶化しない蛋白質を結晶化させるための試みが数多く提案されてきた。例としては、相同な蛋白質のDNAシャッフリング(1)や対称的に多量体化させcrystal contact数を減少させる方法(2)などがある。それぞれの方法論には一長一短があり、どの方法が最良であるとは言えないが、本プロトコルでは比較的に広く用いられている、表面残基エントロピー減少法(Surface Entropy Reduction Method)について筆者の行った例と合わせて解説する。 イントロダクション 表面残基エントロピー減少法