性的指向や性自認は生理学的、生物学的な要素の強い資質である。 これをめぐる議論は、本来は政局とは無縁のものであるはずだ。ただ、LGBTはマジョリティではない(=マイノリティである)ことから奇異な目で見られたり、社会的に不当な扱いを受けたりしがちであったために、その状況をどうにか解消しようと政治的な手続きを求めた結果、本質的にはまったく別の問題、イデオロギーや党利党略をめぐる他者の確執などなどに巻き込まれてしまってきた……というのがこれまでの性的マイノリティの歴史における残念な部分と言えるだろう。 当事者にも忸怩たる思いがあったのではないかと想像される。性的マイノリティあるいはそのアライにカテゴライズされるだけで政治色がつけられてしまいかねないというのは、当人にとっては愉快な状態とは言えないだろう。 同性愛は生得的か後天的か 保守的な人々の中には、「同性愛は個人的な選択の結果」と主張して、性