「姥捨て山に捨てられた婆さん達が生き残って共同体を作るんだと」 「ほう。そんで鬼婆になって通りかかった村人を取って食うのかえ?」 「そこまでは知らん。浅丘ルリ子主演で、草笛光子に倍賞美津子に山本陽子、白川和子‥‥へえー豪華だな」 「浅丘ルリ子はちゃんとババアを演じられるんかえ?」 などという会話を夫と交わした翌日、原作は未読なのでほとんど前知識のないまま、『デンデラ』を観に行った。 監督は『楢山節考』(1983)を撮った今村昌平の子息、天願大介。「姥捨て山には、続きがあった。」というキャッチコピーに小汚い風体のババア集団、いや老けメイクの大女優達がずらりと並んでこちらを睨みつけているというポスターは、そこそこ迫力がある(公式HP参照)。若い人は見に来なさそうである。案の定、周囲を見渡すと定年退職した感じの中高年の夫婦や中高年の女性ばかりだ。 (以下ネタばれあり) 70歳になった老人は「お山