ブックマーク / honz.jp (13)

  • 人生観が、そして人生が変わる 『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』 - HONZ

    人間にとってただ一つ確実なことは、いずれ死ぬということだけだ。しかし、いつ死ぬのか、どのように死ぬのかはわからない。年老いて不自由になった時、不治の病にかかった時、あなたはどのような人生を望むつもりだろう。医学が発達しているからなんとかしてもらえると思っている人がほとんどではないか。しかし、その考えは、このの冒頭にある文章を読んだだけで打ち砕かれる。 わずかな間だだけでも高齢者や終末期の患者と一緒に過ごせば、援助すべき相手に対して医学がどれだけ失敗を犯しているかがわかるだろう 人生の備えとしてこのを読んでおくべきだ。あなたの人生観が変わる。そして、いつか人生そのものが変わる日がくるはずだ。 つい数十年前まで、老人は敬われ、大事にされ、家族の世話で看取られていくのが一般的であった。しかし、高齢化や核家族化により、そのような最期は激減している。そして、老化により自立できなくなった高齢者は、

    人生観が、そして人生が変わる 『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』 - HONZ
    oulaw
    oulaw 2016/08/15
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  • 『言ってはいけない』不愉快な真実を直視せよ - HONZ

    最初に断っておくが、これは不愉快なだ。だから、気分よく一日を終わりたい人は読むのをやめたほうがいい。 表紙をめくるとこのような言葉が最初に目へ飛び込んでくる。そしてこう続く。 世界は来残酷で理不尽なものだ。その理由を、いまではたった一行で説明できる。人は幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない なんとも興味が惹かれる文章ではないか。書店で手にしたとき、この文を読んで買うことを決めた。そして読み始めた途端ページをめくる手が止まらなくなったのは言うまでもない。 このには残酷な真実が書かれている。努力は遺伝に勝てない。知能や学歴年収、犯罪歴といったものも遺伝の力に左右されている。また子育てや教育は子供の成長に関係ない。といった身も蓋もない話が多い。けれどすべての話には、進化論、行動遺伝学、脳科学といった学問の見地から、きちんとした証拠が示されている

    『言ってはいけない』不愉快な真実を直視せよ - HONZ
    oulaw
    oulaw 2016/07/06
    おもしろそう
  • 剣のように強い力を持った本の記録──『戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)』 - HONZ

    紀元前から人類は図書館と共にあったが、それは場所が戦地にあってもかわらない。人はいかなる時であっても──というよりかは、過酷な状況にあってこそ書籍を求めるのかもしれない。 書『戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)』は「第二次世界大戦時に、強いストレスに押しつぶされそうになっている兵士たちの心を癒やすため、海を渡って兵隊らに行き渡った書籍」についての歴史である。この運動は市民や図書館といった多くの人の手によって集められたに加え、兵隊が持ち運びをしやすいように、兵士専用にあつらえられた兵隊文庫がつくられることでの形態も変化させていった。それは後の出版文化にも大きな影響を与えていくことになる。 また、そうした一連の運動は、1933年からドイツで行われていた非ドイツ的なものを排除する思想統制の目的にて行われた政府公認の焚書(最終的にはこの焚書によって1億冊以上が塵となったという。)にたい

    剣のように強い力を持った本の記録──『戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)』 - HONZ
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    oulaw 2016/06/05
    おもしろそう。本は一人じゃないところで一人になれる。
  • お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』 - HONZ

    お金の何が、世界を”動かして”いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』 貨幣の歴史について語ったは数多い。 それだけに「新」といえるほどの新機軸を打ち出せるものかと思っていたのだが、書は貨幣の定義を通常よりも拡張し『そこで私は、お金は価値のシンボルだという定義にたどり着いた。』としてみせることで、より広い視点、それも生物学、宗教、脳科学と一見貨幣とはあまり関係なさそうな分野まで内包し、様々な角度から光を当てた貨幣史を語ることを可能にしてみせた。 貨幣史というよりは、貨幣を通した人類史──といったほうが正確かもしれない。貨幣を使いみちのみで考えると「価値のあるモノやサービスと交換する」ために存在している。が、お金が手に入ると期待をした時に脳にはどんな影響が起こっているのか──と問いかけてみれば脳科学と繋がりうるし、宗教の教えにはお金や富についての言及

    お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』 - HONZ
    oulaw
    oulaw 2016/05/07
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  • 『「病は気から」を科学する』心に治癒力はあるのか? - HONZ

    右にせよ、左にせよ、極端に意見が偏っている人ほど声がでかい。おそらく正解はその中間のどこかにあるはずだが、そこに位置するマジョリティ達は、自ら多くを語ろうとはしない。いずれにしても、両極のどちらが正しいのかという観点からは、何も生まれぬままに終わるケースが多いだろう。 近代以降の歴史を振り返ると、この手の問題はあらゆる領域に蔓延していた様子が見てとれる。そして医療の分野も、ご多分にもれずであった。合理的で還元主義的な、西洋医学の擁護者たちと、物質より非物質的なものを優先する代替医療や東洋医学の信奉者たち。言い換えれば、これらの対立は身体と心の代理戦争のようなものであったのかもしれない。 「代替」というネーミングからも推察される通り、長らく優勢を占めてきたのは西洋医学の方だ。しかし今、その歴史に変化の兆しが現れつつある。プラセボ効果における研究の進展をはじめ、医療における「心」の役割が解明さ

    『「病は気から」を科学する』心に治癒力はあるのか? - HONZ
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    oulaw 2016/04/21
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  • 『ゲノム革命 ヒト起源の真実』 - HONZ

    人類はいつ、どこで、どのようにして誕生したのか? はじめて二足歩行して言葉をしゃべり出し たのはいつか? 太古の人類はどのような姿をしていたのか? われわれはチンパンジーやゴリラな どの類人猿とどのような関係にあるのか? 人間はどのようにして高い知性を獲得したのか? かつ てわれわれとは別種の人類が生きていたのか? 彼らとどのような関係を築いていたのか? 生まれつき探究心を持っていて、自分自身を省みることのできる唯一の動物であるわれわれ人間がこのような疑問を抱くのは、ある意味必然といえる。事実、太古の昔から数々の文化には、人類誕生に関する神話や伝承があった。たとえばギリシャ神話では、人間は土から生まれ、プロメテウスによって火を授けられたとされていた。ヨーロッパでは中世から近世にかけて、聖書に記された人類誕生の物語が堅く信じられ、神が創造

    『ゲノム革命 ヒト起源の真実』 - HONZ
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    oulaw 2016/04/09
    おもしろそう
  • 脳科学について知りたい人へ最初に渡したい一冊──『メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-』 - HONZ

    「メカ屋のための」とあるように、書はエンジニアに向けた脳科学である。 「なぜわざわざ特別にエンジニア向けに脳科学入門が書かれなくてはならないのか? 一般人向けに書けばいいではないか」と疑問を抱くかもしれないが、なるほどもっともな話ではある。 それはまず第一に、著者が東京大学工学部の機械系、情報理工学研究科、工学研究科で講義を受け持っている、機械系かつ生物学系の研究者であることに起因している。物理と工学が大好きで、それに反して生物に興味がない──むしろ嫌いな──エリート・エンジニアの卵らに生物よりの脳科学を教えなければならない著者がとった方法は、神経細胞が大脳にはいくつ、小脳にはいくつ、といった暗記科目的な形式ではなく、構造領域から機能領域へのアプローチ=リバースエンジニアリングを通して「脳って機能的にできてるんだなあ」と驚きを与える事だったのだ。 エンジニアは、どういうときに脳に感動を

    脳科学について知りたい人へ最初に渡したい一冊──『メカ屋のための脳科学入門-脳をリバースエンジニアリングする-』 - HONZ
    oulaw
    oulaw 2016/04/06
    おもしろそう
  • 『ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る』 - HONZ

    著者リサ・ランドール博士は、世界的に著名な理論物理学者で、「ワープした余剰次元」という画期的な理論の提唱者の一人として知られている。日へは、2005年に東京大学と京都大学で開催された国際会議に出席のため来訪、2007年と2014年にも東京大学で開催された講演会のために再訪している。 こののテーマは、ダークマター(暗黒物質)、すなわち宇宙の2割以上を満たす見えない謎の物質と、恐竜絶滅との驚くべき関係である。ランドール博士が2013年に共同研究者と共に提唱した最新理論「ダブルディスク・ダークマター」モデル(二重円盤モデル)が正しければ、約6600万年前に恐竜を絶滅させた彗星衝突は、ダークマターの一部が形成する見えない銀河円盤が引き金となって起こった可能性がある。さらに、今から約3000万年後にも、同じような規模の彗星衝突が起こるかもしれないという。一体どのようにして、このような推論に至った

    『ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る』 - HONZ
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    oulaw 2016/03/23
    おもしろそう
  • 『都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る』 よそ者が都市をつくった - HONZ

    都市は人を惹きつける。整備されたインフラがもたらす快適な生活、次々にもたらされる新たな出会い、世界に解き放たれる前の情報など、都市にはヒト・モノ・カネ・情報の全てが潤沢に存在しているのだから、都市への集中は当然の成り行きとも思える。事実、1950年に30%だった都市化人口率は現在50%にまで増加しおり、国連の予測では2050年には70%近くにまで及ぶという。もちろん、都市にはメリットだけでなく、希薄な人間関係や経済格差などのデメリットも存在するのだが、都市化の流れは強力なものだ。 このように「陰」と「陽」の面を併せ持つ都市は、どのように誕生したのか。書では、世界最古の都市が誕生した約5300年前の西アジアに焦点を当てることでこの問いに答えを出していく。考古学的手法で世界最古の都市を分析することで、その誕生過程を「流れ」として捉えられ、現代を生きる我々が当然のものとして受け入れている「都市

    『都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る』 よそ者が都市をつくった - HONZ
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    oulaw 2016/03/22
    おもしろそう。読んでみたい。
  • 『地球を「売り物」にする人たち 異常気象がもたらす不都合な「現実」』 - HONZ

    書は、アメリカのジャーナリスト、マッケンジー・ファンクが6年の月日をかけ、24か国とアメリカの十数州を回って書きあげた力作ルポルタージュ、『Windfall』の全訳だ。 巻頭のカラー写真を見るだけでも、著者の取材がいかに多岐広範に及ぶかがうかがわれよう。書は気候変動(地球温暖化)を取りあげるが、それ自体が主役ではない。気候変動が起こっているという確信が深まれば、それを阻止する格的努力がなされるという考え方は、どうやら幻想にすぎなかったようで、人類は気候変動を早急に止めそうにない。 それでは私たちはいったい何をしているのか――それを探り、その過程で人間の性をあぶり出すことこそが、書の主眼であり、その結果は図らずも、自己保存と目先の利益を追い求める、「共有地の悲劇」と、いわゆる「現在志向バイアス」の物語となった。

    『地球を「売り物」にする人たち 異常気象がもたらす不都合な「現実」』 - HONZ
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    oulaw 2016/03/11
    おもしろそう
  • 『まっくらやみで見えたもの 光アレルギーの私の奇妙な人生』- HONZ

    闇のきらめき──そんな言葉がぴったりの、みずからの闘病生活を綴った明るく澄んだ、詩情豊かな回想録です。なぜ「闇」なのかといえば、著者が闇でしか生きられない病気に冒されているから。なぜ「きらめき」なのかといえば、暗室で著者のつむぐ言葉が、みずみずしい感性と輝く知性できらめいているからです。 著者は大学を卒業後、国家公務員として仕事に邁進していましたが、2005年、33歳で突然光アレルギーを発症。わずかな光にも肌が焼けるようにひりひり痛むようになり、(病院まで行けないので)専門医の治療を受けることもできず、自宅の暗室で暮らすようになります。 執筆の動機について、あるインタビューで、著者は、2010年の夏、うだるような暗室暮らしの憂さを紛らわせるために、自分の体験を書いてみようと思い立ったと語っています。そして、書の中で著者は、自分と似た境遇の人の話を(オーディオブックで)聴きたいのに、著作と

    『まっくらやみで見えたもの 光アレルギーの私の奇妙な人生』- HONZ
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    oulaw 2016/02/10
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  • 『人類と家畜の世界史』 - HONZ

    ブライアン・フェイガンが人類と動物の関係史を書いたというので、私は興味津々で書の原書となるThe Intimate Bond──How Animals Shaped Human Historyのページをめくってみた。ところが、人類の歴史を変えた動物として彼が選んだ8種類のリスト、犬、ヤギ、羊、豚、牛、ロバ、馬、ラクダを見て、はたと考え込んでしまった。牛馬と犬、それに豚はともかく、ヤギに羊にロバ……。ラクダにいたっては実際に見たこともない。これでは、「人類の歴史なのに、日のことが一つも書かれていない」という、読者からの批判が聞こえてきそうな気がした。 日人にとって歴史的に身近な動物はなんだろうか。シカにイノシシ、クマ、サル、キツネ、タヌキ、カモシカ、キジあたりだろうか。いずれも野生動物で、狩りの獲物であっただけでなく、信仰の対象であったりもする。いまでは日人も、豚肉、鶏肉、牛肉、乳製

    『人類と家畜の世界史』 - HONZ
    oulaw
    oulaw 2016/01/22
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  • 『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ

    書は「なぜネアンデルタール人が絶滅し、初期現世人類は絶滅しなかったのかという人類学の大問題」に、最新の研究結果と巧みな想像力で迫っていく、知的興奮に満ちた一冊である。原書である『The Invaders』は2015年3月に出版されたばかりで、著者が引用している論文はここ数年で発表されたものも多く、古人類学の知識を大幅にアップデートできる。書で描かれるネアンデルタール人の真の姿、絶滅への過程、侵入者としてのヒトとイヌの姿はこれまでの常識とは大きく異なり、驚かずにはいられない。 ネアンデルタール人絶滅という大問題には、これまでも様々な角度から解答が提出されてきた。有力だと考えられてきたものの1つは、気候変動説。ネアンデルタール人が地球上から姿を消した頃の気候は非常に不安定で、数百年という短い周期で温暖期と寒冷期をいったりきたりしていた。しかし、気候変動だけでは、説得力ある説明にはならない。

    『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』 ヒトは史上最強のインベーダー - HONZ
    oulaw
    oulaw 2015/12/02
    おもしろい。読みたい。
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