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インドに関するoyoyomのブックマーク (76)

  • 成長鈍化に悩むインド、それでも財政赤字の上限は守る チダムバラム財務相にFTがインタビュー

    (2013年1月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) P・チダムバラム氏は過去にも2度財務相を務めている〔AFPBB News〕 インドは来年選挙を控えており、国民会議派率いる連立政権は経済成長率のてこ入れを求める圧力にさらされている。 この2つの大きな課題にもかかわらず、インド財務相のパラニアッパン・チダムバラム氏は今春の予算案で、中央政府の財政赤字削減に対するコミットメントを守り通すつもりだ。 世界の経済界にインドを売り込むために各地を回っているチダムバラム氏はロンドンで紙(英フィナンシャル・タイムズ)のインタビューに応じた際、予算措置がどんなものになるか詳しく説明することは拒んだ。 だが、自身がインドに課す規律が急増する財政赤字を減らすということは明確にした。 今年度5.3%、来年度4.8%以内という一線は死守 「私は越えてはならない一線を決めた」。現在67歳で元顧問弁護士のチ

  • 金を愛して止まないインド:宝箱が経済問題に

    (英エコノミスト誌 2013年1月12日号) 金に対する愛がマクロ経済の問題に発展する。 西インドのプネ在住のビジネスマン、ダッタ・プゲ氏の洋服ダンスに新たな1着が加わった。重さ3.25キロ、25万ドルするそれは、金で作られた鎖かたびらのシャツだ。「いつもボディーガードと行動をともにしていますよ」。キラキラ光るプゲ氏はプネ・ミラー紙にこう語ってみせた。 悲しいかな、金に対するインドの執着は笑い事ではない。 インドは世界最大の金の消費国だ。急激に増える金の輸入は同国の経常赤字を拡大させる要因となり、昨年7~9月期には経常赤字が国内総生産(GDP)比5.4%という憂慮すべき水準まで膨れ上がった(図参照)。 1月2日には財務大臣が、金の購入を控えるよう国民に訴えた。 会計上どう処理しても国際収支を圧迫 一部には、インドの金輸入は資移動として分類し直すべきだと主張する向きもある。そうすれば、経常

  • 「フラッシュモブ」のデモが告げるインドの転換点

    (2013年1月8日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) インドの警察がニューデリーで催涙ガスや高圧放水銃を使い、レイプ事件に抗議する何万人もの怒れる若者の群集を追い散らした数日後、P・チダムバラム財務相は、同氏が「フラッシュモブ」と表現したデモに当局が不意を突かれたことを認めた。 典型的なフラッシュモブ――インターネット世代の騒がしい若者が公共の場に集まり、枕投げ大会などの気軽なパフォーマンスを演じる――のように、レイプに抗議するインドのデモも、ソーシャルメディアと共通の目的意識に刺激されて自然発生した集会だった。 レイプ事件に抗議するデモ、国民の怒りにインド政府は困惑 インドでは今月16日に起きた集団暴行事件を受けたデモが各地で発生している〔AFPBB News〕 こうした抗議デモは明らかに、より統制された抗議スタイルに慣れた政府にとっては不安をかき立てる行為だった。「フラッシュモブは新

  • インドの資本主義:ラタン・タタの「遺産」

    (英エコノミスト誌 2012年12月1日号) インドは国内で最もパワフルなビジネスマンの功績から学ぶべきだ。 タタ財閥を率いてきた創業家5代目のラタン・タタ氏は年末に退任する〔AFPBB News〕 12月28日にタタ・サンズの会長を退任するラタン・タタ氏がなぜ重要なのかを理解するのは簡単だ。 同氏が率いるコングロマリット(複合企業)はインド最大の民間企業で、同国の株式市場の7%を占めている。タタ・グループはインド全土の法人税の3%、物品税の5%を納めている。 タタ・グループの傘下企業のおかげで、人は家に住み、自動車を運転し、電話をかけ、料理を味付けし、保険に加入し、時計を身につけ、を履いて歩き、エアコンで涼み、ホテルで過ごすことができる。 国民に崇拝されるインド産業界の王 礼儀正しく、控えめで上品なタタ氏は、過去20年間にわたってインド産業界の王の座に君臨してきた。インド人は、イタリア

  • 不幸な展開を迎えたBRICsの物語

    (2012年10月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) この3年間、一般的な概念は世界の主要経済国を2つの基的なグループに大別していた。「BRICs」と「病人(sicks)」である。 米国と欧州連合(EU)は病んでおり、高失業率と低成長、恐ろしいほどの債務に苦しんでいた。一方で、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国、そして一部の見方では南アフリカも加わる)は欧米よりはるかに活力に満ちていた。投資家や実業家、欧米の政治家は、未来をじっくり見つめるために定期的にBRICs諸国を巡礼した。 ところが今、おかしなことが起きている。BRICsが苦境に陥っているのだ。 個々の国の問題の性質は異なるが、BRICs諸国を結びつける大きな問題もいくつかある。まず、楽観的な「デカップリング」論が盛んに語られたにもかかわらず、BRICs諸国は皆、弱い欧米経済の影響を受けている。 次に、5カ国す

  • インド:夢を求めて

    (英エコノミスト誌 2012年9月29日号) インドの指導者たちは、有権者に改革の必要性を納得してもうらため、国の新たな未来像を明示しなければならない。 インドが65年前に独立を勝ち取った時、この国の指導者たちは未来に対するビジョンを持っていた。一面では、彼らの夢――自由主義的民主主義――は立派で、当時のアジアでは珍しい夢だった。おかげで、大部分のインド国民は現在、好きな場所で好きなように抗議をし、声を上げ、投票し、旅行し、祈りを捧げる自由を享受している。 さらに、そうした自由のおかげで、国政を軍人やスパイ、宗教指導者、政党によって選ばれた人ではなく、選挙によって選ばれた文民が担っている。中国ロシア、パキスタンなどの国民が同じことを言えたらどれほどよかったことか。 「ヒンドゥー成長率」と呼ばれた低成長 しかし、彼らのビジョンは経済的な面では功を奏さなかった。独立運動を率いたマハトマ・ガン

  • 「2つのインド」の物語 アフリカより貧しく英国より金持ちな国

    (2012年9月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) インドの首都デリーから郊外に向かって伸びるハイウエー沿いには、「エキゾティカ・ドリームビラ」などと名付けられた新興住宅地の広告がいくつも掲げられている。 手入れされた芝生の上に立った若い夫婦が微笑んでいる絵が描かれ、「ライフスタイルここにあり」といったキャッチコピーが添えてあるのが典型的なパターンだ。 トイレも整備されておらず、子供が栄養失調に苦しむインドの現実 しかし、このハイウエーを走り続けて隣のウッタルプラデーシュ州の奥深くに入り込むと、エキゾチックでもなく夢も感じられないライフスタイルが目に飛び込んでくる。ブダウンという都市の郊外では子供たちの多くが栄養失調の徴候を見せており、不潔な街中をヤギや水牛、雌牛やラクダが歩き回っている。 この地区では現在、国連児童基金(ユニセフ)がすべての家屋に近代的なトイレを設置するキャンペーン

  • ドイツ自動車大手がインド富裕層を巡り熾烈な戦い

    (2012年8月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) インドの高級自動車市場における覇権争いは、ドイツの高速道路アウトバーンでの大接戦さながらの様相を呈している。アウディは6月に初めてBMWの販売台数を抜き、両社は今、トップに立って2012年を終えようと競り合っている。両社とも、今年の販売台数は約9000台に上る見込みだ。 一方で、長年市場をリードしてきたメルセデス・ベンツは3位に転落し、最近、遅れを取り戻すためにアジア第3位の経済大国インドに今後3年間で40億ルピー(7200万ドル)を投資する計画を発表した。 急成長市場で繰り広げられる三つ巴の戦い このレースのおかげで、ムンバイの有名な海辺の散歩道マリーンドライブでは、ドイツ車の流線形の車体とエンジン音がお馴染みの風景になりつつある。だが、メーカー各社にとっては、これはお遊びのレースではない。インドの急成長市場は、世界的な覇権を巡る

  • インドの製造業:マサラ風ミッテルシュタント

    (英エコノミスト誌 2012年8月11日号) インドでは製造業が離陸しつつある。だが、多くの人が望んでいたような形ではない。 インドが「次の中国」――製造業大国――になろうとしているのであれば、随分と時間をかけている。「我々はインドを工業化しなければならない。しかも、できるだけ早くに」。インドの初代首相ジャワハルラール・ネルーは1951年にこう述べた。 以来、政治家はソビエト式の計画経済を含め、あらゆることを試してきた。だがインドは、実際に手に取ることができるモノを作るより、作物を育てたり、サービスを売ったりする方が好きなようだ。 製造業はまだ国内総生産(GDP)の15%しか占めておらず、アジアの標準を大きく下回っている(図参照)。 インドは、大きな製造基盤を必要としている。それなしに豊かになった主要国はないし、今後15年間で労働年齢に達する2億5000万人の若者の労働力を吸収できそうな産

  • インド株式会社は決して中国に追い付けない

    (2012年8月9日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ダボスで開かれる世界経済フォーラム(WEF)の会合や、ニューデリーで開かれるよく似た会議のようなイベントに姿を見せるインドの財界エリートは、まるで呪文のように、インドの人口ボーナスは中国に勝る利点の1つだと繰り返す。 インドの政治家の多くも、この見解を共有している。言動が派手なカマル・ナート都市開発相は、中国は裕福になる前に老いると主張している。 彼らの主張は、何百万人もの若者が労働力人口に加わる(年間1200万人のペース)ため、所得と貯蓄が増加するにつれてインドの成長率は確実に急上昇するが、中国は一人っ子政策のせいで近い将来労働力不足に直面する、というものだ。 インドの人口ボーナスという虚構 完璧な世界ではそうかもしれないが、インドはおぞましいほど不平等な世界であり、何百万人もの子供が、十分なべ物を手に入れたり、まともな教育を受け

  • 大停電が光を当てたインドの弱点

    (2012年8月2日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 不動産開発業を営む32歳のジャイビル・シンさんは7月31日、照明が消え、デスクトップパソコンの予備電池がピーピー鳴り始めた時、ニューデリー近郊に位置する、近代的な高層ビルと高層マンションが集まる街グルガオンの事務所にいた。 それから数分以内に、照明とパソコン画面はチカチカ点滅して復活した。事務所が入居しているビル――北インド最大の医学研究所も入っている――の大型ディーゼル発電機が稼働したのだ。この日の停電は、インドの「ミレニアムシティー*1」の営業日を中断させる、よくある停電のように思えた。 停電に慣れっこのインド人にとっても衝撃 「平均すると、1日に1回か2回、電気が止まります」とシンさんは話す。「夏場のピークには、大体10時間から14時間はバックアップ電源で動いている。この地域のほとんどの主要産業は既にこのような停電に対する備えを

  • 雨不足のモンスーンが不振のインド経済を直撃

    (2012年7月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) インド北部の村バルドーリを覆う空はここ数日どんよりと曇っており、農家は雨が降るのを待ち焦がれている。だが、雲が黒く立ち込めても、農家を営む50歳のチョウダリー・ベドゥ・シンさんにはあまり慰めにならない。異常な高温が続いたせいで、水田の苗はとっくに台無しになったからだ。 10人家族の家長であるシンさんは、7月10日に広さ2エーカーの水田に種モミをまいた。例年であれば、モンスーンの雨がインド北部の平原地帯を冷やし始めてからだいぶ経った頃のことだ。だが、シンさんの土地では、ほとんど雨が降っていない。 シンさんは苗が枯れるのを防ごうとして、水田に給水するポンプのディーゼル燃料に1日当たり約1000ルピー(18ドル)費やしてきた。だが、40度に迫る暑さの中では、水は温度が高く、すぐに蒸発してしまう。このため、しおれた苗はほとんど枯れかけている

  • インドの減速:さらば、素晴らしきインド

    (英エコノミスト誌 2012年6月9日号) 指導者を欠いたアジアの大国は、低成長期に向かう運命にある。その人的損失は莫大なものになるだろう。 世界経済が今ほど問題を抱えていると、インドの成長率が5.3%に低下したというニュースなど、さほど重大と思えないかもしれない。だが、この数字は過去7年間で最も低く、インドの経済的奇跡の失速に伴う社会的代償はユーロ圏の痛みを上回りかねない。 2004~08年にインドが享受してきた2ケタ近いペースの成長は、もし持続されていたら、何億ものインド人を貧困から脱出させられたはずだ――それも迅速に。 また、今後数十年で労働年齢に達するすべての若者のために雇用が創出されていただろう。この層は、世界最大級かつ極めて大きな脅威となる可能性をはらんだ人口統計上の突起部分だ。 ところが今、ルピーが急落し、民間投資が枯渇し、上記のようなGDP統計が出た後には、奇跡は幻想のよう

  • 社説:後退し始めたインドのカメ

    (2012年5月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 少し前までインドでは、自国が中国を抜いて世界一急成長する経済大国になるかもしれないと騒がれていた。だが、インドのカメは中国のウサギに追いつくどころか、後退している。成長率は2ケタに達することなく、6%程度に逆戻りしてしまった。 最近、投資銀行3行がインドの将来展望に対する評価を引き下げた。モルガン・スタンレーは、政策の麻痺と外部環境の悪化の結果である景気減速は、深刻で長引く恐れがあると指摘している。 ルピー急落が象徴するインドの失墜 インドの失墜の象徴がルピーだ。ルピーは今年、対ドルで17%以上下落し、史上最安値を記録した。通貨安は来、少なくとも輸出の助けになるはずだが、輸出はむしろ工業生産とともに落ち込み、工業生産は3月に3.5%減少した。 ルピー安のせいで石油などの輸入品が高くなった。おかげで国内総生産(GDP)比約4%と既に

  • インド経済:魔力を失いつつある国

    (英エコノミスト誌 2012年3月24日号) インドが膨大な経済的潜在力を発揮するのを政治が邪魔している。 インドは大きな数字の国だ。10億人を超える人口、100万件の暴動、1000の言語を抱える場所である。だが、1947年の独立以来、2種類のインド経済しかなかったと言っても過言ではないだろう。 1つ目の経済は、怠惰な成長、気がおかしくなるようなお役所仕事、息が詰まるような官僚主義を生み出した。2つ目の経済は、1990年代の自由化の後に徐々に回転速度を上げ、その結果、インドは2000年代半ばまでに楽観論が一気に広がる国になった。つまり、外に向けて開かれ、後退しているとはいえまだ厄介な公的部門を克服した起業家に満ちた国だ。 インドは、有利な人口動態や意欲的な企業、漸進的な改革、貯蓄意欲と投資意欲のおかげで、急成長のロングスパートを享受する運命にあるように見えた。 ところが最近、絶対に死のうと

  • インドの綿花禁輸措置に中国が抗議

    世界最大の綿花消費国である中国が、インドの綿花禁輸措置に対して正式な抗議を申し入れた。その一方、インド国内では、数日前に実施された禁輸措置を見直す動きが見られる。 インドでは、農業相が禁輸措置は国内農家に打撃を与えると述べたことを受け、マンモハン・シン首相がただちに、関係閣僚に禁輸措置を再検討するよう要請した。首相官邸の声明によると、再検討の結果は9日に公表されるという。 首相官邸のある高官は、閣僚は禁輸措置を解除する可能性が高いとし、紙(英フィナンシャル・タイムズ)に「禁輸が解除される現実的な見込みがあり、その確率は高い」と語った。 だが、方針転換は確実ではない。インド政府は、対中関係および農家の利益と、強力な国内繊維産業の懸念とのバランスを取らねばならないからだ。 乱高下してきた綿花市場 2年にわたって相場が乱高下してきた綿花市場では、インドの突然の政策変更がボラティリティー(変動)

  • 高所得国の危機とインド経済 改革の手を緩めるな

    高所得国の金融・経済危機は、新興国や発展途上国にとって何を意味しているのか? 筆者は先週、インド商工会議所連合会(FICCI)とコンシューマー・ユニティ&トラスト・ソサエティー(CUTS)、フィナンシャル・タイムズ紙がニューデリーで開催した討論会でこの問題を取り上げた。 筆者が出した結論は、危機は危険だというものだ。だが、その理由は危機の直接的な影響というよりは、むしろ危機から引き出される教訓の方がずっと大きい。間違った教訓ではなく、正しい教訓を得なければならないのだ。 金融危機が高所得国を襲ってからの数年間、最大規模の新興国は目覚ましい経済パフォーマンスを見せてきた。 国際通貨基金(IMF)の新しい「世界経済見通し(WEO)」改訂版では2012年に減速が予想されているが、それを考慮に入れても、インドの国内総生産(GDP)は2007年から2012年にかけて43%拡大することになる。中国の5

  • 急減速するインド経済、公共投資でてこ入れへ

    (2012年1月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) インドの首相官邸によると、インドは、急成長を遂げる経済の成長率低下を反転させ、2ケタ近い水準に戻すために、公的部門による総額350億ドルの投資に乗り出す。 この緊急経済対策は、インド政府内の政策の行き詰まりに対する幅広い批判と、経済成長率が9%から7%へ低下した景気情勢に対応したものだ。 国営企業17社にインフラ投資やエネルギー購入を要請 マンモハン・シン首相率いる政府は国営企業17社に対し、準備金として保有している資金を使ってインフラ計画と外国からのエネルギー購入に投資するよう命じた。 「国営企業は山のような現金を眠らせている」。ある政府高官は、インド経済に対する信頼を高め、エネルギー安全保障を促進するために、「使われていない」資源を動員する緊急性についてこう話した。 こうした動きは、国内市場に投資することに慎重な姿勢を示してきた

  • 英国製造業:国内最大の雇用主はインド企業

    (英エコノミスト誌 2011年9月10日号) 英国最大の製造業者はインド企業だ。彼らは英国に何を求め、何を与えてくれるのか? サウスヨークシャー州のストックスブリッジにある製鉄所は異様なほどに静かだ。工場の炉は爆音を鳴り響かせるタイプではない。電流によって鉄を再溶融する、小型で静かな真空アーク炉だ。 ほど近いロザラムの姉妹製鉄所でスクラップから作られたビール樽大のインゴットが洗浄され、スタブに溶接され、炉の中に沈められていく。1滴ずつ行われる溶融作業により、12時間から14時間かけて不純物が取り除かれ、鉄鋼は強度を増していく。 その後、冷却されて検査が済めば、鉄鋼の塊は高強度が必要とされる宇宙や石油掘削現場で使える状態になる。 ブリティッシュ・エアロスペースより多くの従業員を抱えるタタ この製鉄所は、かつては英蘭企業コーラスの工場で、その前はブリティッシュ・スチールの傘下にあった。現在のオ

  • 新興国の政治:立ち上がる新興中産階級

    (英エコノミスト誌 2011年9月3日号) マルクスの言う革命的なブルジョワジーが声を上げ始めた。 この4年間、景気後退に襲われた先進国と、活気のある新興経済大国の間に著しい違いが見られた。今年、先進国の経済的な苦難は政治にまで及び、欧州諸国の政府がユーロ危機の泥沼にはまり込む一方、米国は自ら国債の格下げを招いた。 しかし苦難は先進国に限られたことではなかった。中東諸国は言うまでもなく、中国、インド、インドネシア、ブラジルといった国々は、経済的な発展を遂げたにもかかわらず、先進国が抱える倦怠感と同じくらい大きな不満に悩んでいる。 インドでは、長年汚職追放に取り組んできた活動家アンナ・ハザレ氏の支持者が大規模な抗議運動を繰り広げ、国民会議派率いるマンモハン・シン政権は最大の試練に直面した。 ニューデリーでハンストを続けていたハザレ氏は8月末、政府が厳格化した腐敗防止法を可決することに同意した