エースはどこに? 次々と報道が流れているのにもかかわらず、社会は確固たる知見が得られずにいらだっていた。逆に不確かな情報が氾濫するという事態に陥っていた。 例えば、テレビからは、放射能汚染に関して、専門家が決まり文句のように繰り返して発言していた。 「ただちに健康被害が出るようなレベルではありませんので安心して下さい」 「ただちに」被害が出ないということは、「将来は出る」ということなのか? なぜそれで「安心できる」という結語になるのか? 学生の安否確認など、日々の生活に追われながらも、私は「第一人者」を探し始めた。社会の混乱を鎮めるためには、確固たる専門領域の能力を持ち、かつ、第一人者として発言に責任を取れるだけの自負を持った「エース」の登場が不可欠であると思われたからである。 そしてもし、何らかの理由で「エース」が埋もれてしまっていたとしたならば、それは表舞台に出さなければならない。その
【2011年10月7日 ヨーロッパ宇宙機関】 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の火星探査機「マーズエクスプレス」が火星大気の高度ごとの水蒸気の分布の観測を行った。その結果、火星大気は季節によっては過飽和と呼ばれる状態になっており、これまでの見積もりより10〜100倍程度多い水蒸気が大気に存在していることがわかった。 「マーズエクスプレス」と火星のイメージ(提供:ESA Illustration by Medialab) 火星表面から宇宙空間までの水分子の動き。太陽光によって地表面の水が蒸発し、一部は雲として取り込まれる。さらに太陽光の紫外線によって光解離を起こしたものは水素原子と酸素分子に分解され、宇宙空間へと逃げていく。クリックで拡大(提供:ESA/AOES Medialab) 火星は地球に約2年に1度の頻度で接近する。そのたびに探査機が打ち上げられ、これまでに多くの探査機が火星を調査してき
老化介入・老化制御 摂取カロリーと老化 レスベラトロールResveratrolの"寿命延長・抗老化作用"についての見解 レスベラトロール(図1)は、ポリフェノールの一種で、先ごろ放映されたNHKスペシャル『あなたの寿命は延ばせる 発見! 長寿遺伝子』(2011年6月12日放送、好評のため二回再放送されたそうです。2011年8月1日現在)の中でカロリー制限を模倣する抗老化物質として紹介され一躍脚光を浴びました。番組を見た人々がレスベラトロールを買い求め品不足になっているとインターネットなどが報じています。 レスベラトロールが一般の人々の目に触れたのは恐らく8年前の2003年8月に『老化を抑える物質「発見」-米グループ 酵母の寿命7割増』という見出しの新聞記事が出た時のことではないかと思います。著名な科学雑誌Natureが『レスベラトロールを与えられた酵母の寿命が伸びた』という論文を掲載し、そ
(Roed ら 1995) 都市の除染により生じた放射性廃棄物は、既存の衛生要件にあった方法で廃棄されるべきである。大規模な除染の際には、将来、放射能の環境漏洩が無視できるように一時的な保管場所を隔離された場所に設置すべきである。その保管場所は、国際標準の放射能警告シンボルを表示しなければならない。 3.3. 農業対策チョルノービリ(チェルノブィリ)事故後、旧ソ連邦の最も汚染の激しかった地域と西ヨーロッパの地域で農業対策が実施された。その目的は、介入レベル以下に食品の放射性物質汚染を低減することである。大々的な農業生産システムの対策が白ロシア、ロシア、ウクライナで実施されたが、当初、西ヨーロッパでも幾つかの食品規制が実施された。事故後最初の2~3年は多くの対策が広範囲に行われた。そして、それらの対策は現在まで継続している。さらに、3カ国においては、何年もの間137Cs汚染濃度が高いままの田
目次へ 公開: 2011年6月18日 / 最終更新日: 2012年10月6日 更新情報を Twitter で伝えます 放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説 本文の「放射線って体に悪いの?」の「後からじわじわと影響がでる場合」で、「低線量の放射線を時間をかけて通算で 100 mSv の被ばくすると、生涯でガンで死亡するリスクが 0.5 パーセント上乗せされる」という ICRP の「公式の考え」を紹介した。 これは、長期的な被ばく対策を考えていくための基本になる。 ここでは、「公式の考え」の正確な内容、そして、「公式の考え」が得られてた道筋について解説する。 この解説を読む前に、本文の「放射線って体に悪いの?」をご覧になるといいと思います。 過剰相対リスクと過剰絶対リスク たとえば、一定量の被ばくによる生涯ガン死亡リスク(確率と思っていい)を表わす場合、過
産経新聞・【正論】元駐タイ大使・岡崎久彦 低レベル放射能それほど危険か 国民に真実伝えなかった政府 米有力シンクタンク、ヘリテージ財団が、東日本大震災への日本の対応ぶりをレビューして、今後の米国への教訓とするために、報告書を発表した。 日本国内では、原発問題をめぐって、非難、弁護相交錯して泥仕合の様相を呈しているので、評価が定まるのはもっと先になろう。その意味で、米国で早くもまとまった評価は参考になる。 日本の対応ぶりについては、まず称賛である。「天災国日本は、『準備の文化』を示した。過去の災害の教訓を生かし、災害対策を準備してきたことが成果を生んだ。昨年9月の地震避難訓練には67万人が参加した。そして実際の地震に対して、日本国民は、素晴らしい規律と耐え忍ぶ能力とを示し、暴動や大混乱などは生じなかった」と、米国も準備の文化を育てるべきだと言っている。 他方、日本の対処ぶりの中では情報の伝達
ISSN 1881-7297 日本保健物理学会専門研究会報告書シリーズ Vol.7 No.1 医療放射線リスク専門研究会報告書 2010 年 5 月 日本保健物理学会 日本保健物理学会専門研究会報告書シリーズ ISSN 1881-7297 Vol.7, No.1, 医療放射線リスク専門研究会報告書 2010 年 5 月 発行者 日本保健物理学会企画委員会 発行所 日本保健物理学会 〒104-0031 東京都中央区京橋 2-2-11 文献堂ビル 3F 日本保健物理学会事務局 TEL:03-3548-0342 FAX:03-3548-0344 E-mail:jhps@wwwsocnii.ac.jp http://wwwsoc.nii.ac.jp/jhps/index.html 医療放射線リスク専門研究会報告書 2010 年 5 月 日本保健物理学会 医療放射線リスク専門研究会 i まえがき
米国科学アカデミーBEIR委員会報告書(BEIR VII報告書)「要約」部分の翻訳 BEIR委員会とは、米国科学アカデミー(NAS)/米国研究評議会(NRC)の下に置 かれている放射線影響研究評議会(BRER)内の1つの委員会で、「電離放射線の生物学的影響」に関する委員会のことです。 BEIR報告は、アメリカ国内にとどまらず、これまでにも国際的な放射線防護基準の基礎とされるICRP(国際放射線防護委員会)の勧告やUNSCEAR(国連・原子放射線の影響に関する科学委員会)の報告にも大きな影響を与えてきた重要な報告書です。低線量放射線被曝による発がんなどのリスクについて、「放射線被曝には、これ以下なら安全」と言える量はないとの見解を示し、それが、近く出されることになっているICRPの新勧告や、さらには日本国内の放射線防護指針に、どのように反映されるのか、注目されます。市民科学研究室「低線
【9月26日 AFP】サーチュインというタンパク質が寿命を延ばすという過去10年間でなされてきた多くの研究には深刻な欠陥があるという論文をロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London)の研究チームが英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した。 サーチュインを投与すると寿命が最大で50%延びる可能性を示したミミズやミバエを使った先駆的な実験を受けて多くの追試が行われ、その多くが当初の研究結果を支持する結果となっていた。 その結果、サーチュインを強化するという触れ込みで、効果が定かではない健康食品が次々と生まれた。その多くがサーチュインを活性化させる効果があるとされたレスベラトロールを含んでいた。 だが、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ健康加齢研究所(Institute of Healthy Ageing)のデービッド・ジェムズ(David
太陽の黒点数が少ない時期ほど巨大地震の発生頻度が高いことが、湯元清文・九州大宙空環境研究センター長(宇宙地球電磁気学)のチームの分析で分かった。東日本大震災も黒点数が少ない時期に起きた。太陽の活動が地球内部に影響を及ぼす可能性を示す成果として注目される。11月3日から神戸市で開かれる地球電磁気・地球惑星圏学会で発表する。 太陽の黒点数は約11年周期で増減を繰り返し、地球大気の状態を変化させている。チームは地球内部にも何か影響を与えていると考え、1963~2000年の太陽の黒点数と、同時期に発生したマグニチュード(M)4以上の計32万7625回の地震との関係を調べた。 その結果、M4・0~4・9の地震の65%が、太陽黒点数が最小期(約2年間)の時期に起きていた。M5・0~5・9、M6・0~6・9、M7・0~7・9でもほぼ同じ割合だったが、M8・0~9・9では、28回発生した地震の79%が最小
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