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  • 【特集】第50回衆院選(2024年)自民党――過半数割れのリアル|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    今年10月の衆院選で自民は大きく議席を減らし、公明を合わせた与党としても過半数を割ることとなりました。この明らかな敗北と言うよりほかにない結果は、他方で野党の勝利とも呼ぶことができるのでしょうか。ここでは自民に焦点をあてつつ、衆院選の総括を行います。 なお、先の選挙からまだ日が浅いため、ここでは第50回衆院選(2024年)を今回の選挙、第49回衆院選(2021年)を前回の選挙とも表記していきます。 自公、少数与党に まず議席数から概観してみましょう。下の図は今回の選挙で確定した議席配分で、括弧内は選挙前からの増減を表します(選挙前とは、今回の解散が行われた時点にあたります。3年前の前回選挙との比較も後ほど表2でとりあげていきます)。 図1. 第50回衆院選(2024年)の議席配分(NHKの開票速報による) なお、ここでは政党の公認を受けていない議員は全て無所属に数えていることに留意してくだ

    【特集】第50回衆院選(2024年)自民党――過半数割れのリアル|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト
  • 第50回衆院選比例代表 全政党地域分析速報|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    今回の衆院選の結果をうけて、すべての政党と政治団体の比例票の分布を地図上に描きました。前回からの増減もあわせて示しました。 簡単な見かた この記事に掲載した地図では、全国1892の市区町村を以下のように塗っています。 図1. 簡単な見かた 投票率については、高いほど赤く、低いほど青くなるようにしています。 得票率は、高い地域ほどその政党が強く、低い地域ほど弱いことを意味します。「絶対得票率」や「相対得票率」などの用語が出てきますが、「どこで強くてどこで弱いか」ということはほとんど違いません。多くの政党を同一の基準で表すため、塗り分けの階級を等間隔にしていないことに留意してください。 増減は、増加したものを黄色から赤の配色で、減少したものを水色から青の配色で示しました。 投票率 まず投票率を見てみましょう。図2に前回の第49回衆院選(2021年)のものを、図3に今回の第50回衆院選(2024

    第50回衆院選比例代表 全政党地域分析速報|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト
  • 世論調査の解釈について|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    世論調査の解釈について思うところがあったので、簡単に書くことにします。 事の発端は、衆院議員の米山隆一氏から次のような引用を受けたことでした。 https://x.com/RyuichiYoneyama/status/1825722986068123818 彼のツイートには、立憲民主党の支持率が先月から2.2ポイント増の12.3%となった共同通信の世論調査を引用したうえで、「私の議論は今の所殆ど全くマイナスに影響していないどころか、今の所立憲の支持は寧ろ増えています」と書かれています。 ぼくとしては世論調査への言及一般に口をはさむつもりはありません。しかしここでは、ぼくのツイートを引用する形で議員が書いたことが拡散されていたため、その解釈には同意しないということを表明しても構わないと思い、次のように返信をしました。 https://x.com/miraisyakai/status/1827

    世論調査の解釈について|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト
  • イギリスの政権交代|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    今年7月に行われたイギリスの総選挙では労働党が勝利をおさめ、14年ぶりの政権交代がおこりました。この出来事はどのように理解されるのでしょうか。また日の選挙を考えるうえで、ここからどのような洞察が得られるのでしょうか。若干の検討を行ったのでその結果をまとめました。 獲得議席数 まずは全体の議席がどれほど動いたのかを振り返るとともに、登場する主要な政党を確認してみましょう。図1に前回の選挙(2019年イギリス総選挙)の議席数を、図2に今回の選挙(2024年イギリス総選挙)の議席数をそれぞれ示しました。 図1. イギリス総選挙(2019年)獲得議席数 図2. イギリス総選挙(2024年)獲得議席数 なお、議長のリンジー・ホイル氏を労働党に数える場合、労働党の議席は1つ多くなります。イギリス下院では議長は無所属となるのが慣例で、ホイル氏はそのため2019年に労働党を離れました。この図では「その他

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  • G7各国の支持率を出せるようにしました|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    世論の動向などに掲載している支持率の平均のグラフを、アメリカ、イギリス、カナダ、イタリア、ドイツ、フランスについても出せるようにしました。今回はそれを簡単にレポートします。 外国の世論調査では次の選挙における投票先を聞くのが一般的で、日で言われる政党支持率とは少し意味合いが異なります。しかしロイターやブルームバーグなどをはじめ、NHKなど日のマスコミもそれを単に支持率と呼ぶことが多いため、ここでもあえて区別をせずに支持率と書きました。当は投票意向とでもいうのが正確です。 アメリカ アメリカ大統領選の全米における2候補の支持率です。もっとも大統領選は州ごとの結果をうけて決まるため、これがそのまま選挙の優劣に対応するわけではありません。一つ一つの州でぎりぎり勝利した方が当選への効率は良くなりますが、最大の人口を抱えるカリフォルニア州にバイデン氏の支持者が多い事情などにより、全米での支持率

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  • 産経新聞・FNNの世論調査の反映再開などについて|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    各社の世論調査から内閣支持率や政党支持率の平均を求め、「世論の動向」や各種SNSなどで公開してきましたが、2020年6月から現在に至るまで産経新聞とFNNによる調査は除外していました。これは2019年5月から2020年5月にかけて産経・FNNの委託先で不正が行われたことをうけた措置で、除外するとした当時の判断は「産経・FNN世論調査の不正にたいする見解」で述べています。 しかし現在、すでにこの問題の発覚から4年がたち、なぜ産経・FNNだけを除いているのかといった質問を受けることが多くなりました。また、平均のグラフに反映することを通じて、各社との整合性を確認してほしいといった要望ももらいました。そうした意見にこたえ、近いうちに産経・FNNの調査の反映を再開する措置を講じることにします。今後の調査だけを反映するのではなく、過去にさかのぼって全期間の反映を行います。 また、この機会に次の対応も行

    産経新聞・FNNの世論調査の反映再開などについて|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト
  • 拒絶の投票――最高裁国民審査の地域分析|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    のべ6億の投票 最高裁の裁判官は司法のトップの人たちです。けれど信用を失えば「さらに偉い人」の手によって辞めさせられることになっています。その手を担うのが有権者――。国民審査はそうした意図をもつ制度であるといえるでしょう。 国民審査が実施されるのは衆院選と同じ日です。投票する際は辞めさせた方がよい裁判官の氏名の上に「×」を書き、続投してよい裁判官には何も書かないままとします。開票の結果、「×」が書かれた票が有効票の過半数に達した裁判官は、所定の期間を経た後にその地位を失います。「×」が書かれた票は正しくは「罷免を可とする票」と呼ばれますが、この記事では簡潔に「罷免票」としました。 第25回国民審査(2021年)で用いられた投票用紙の見を図1に示します。最高裁の裁判官15人のうち、この回は第24回国民審査(2017年)以降に任命された11人が対象となり、のべ6億2898万8848票の有効票

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  • 空白の党――失われた1300万票を描く|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    民主党政権が誕生した第45回衆院選(2009年)は、現行の小選挙区比例代表並立制のもとで最も投票率が高かった選挙でした。しかし自民党が政権を奪還した第46回衆院選(2012年)の投票率は一転して下落し、現在に至る長い低迷がおきています。 図1には第45回衆院選(2009年)について、図2には最新の第49回衆院選(2021年)について、各市区町村の投票率を地図として示しました。なお、投票率には比例代表におけるものを用いましたが、小選挙区と比例代表は同時に投票が行われるため、どちらを用いてもほとんど変わりません。 図1. 第45回衆院選(2009年)比例代表の投票率 図2. 第49回衆院選(2021年)比例代表の投票率 この間に選挙に行かなくなった人たちは、どこにどれだけ存在するのでしょうか。図1と図2の差をとれば、かつて投票に行ったものの、今は棄権している人たちの地域分布を知ることができるで

    空白の党――失われた1300万票を描く|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト
  • 次期参院選比例代表「議席帯」シミュレーション |三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    先に公開した次期衆院選比例代表のシミュレーションでは、わずかな得票数の差が結果を大きく左右する議席帯とそうでない議席帯の存在を明らかにしたうえで、それが比例ブロックに由来する歪みであるといった議論を行ってきました。けれども比較対象とするべき参院選の全国比例の検討をしていません。 そこで今回は参院選に関して同等のシミュレーションを行い、その議席帯の分布を明らかにしていきます。ドント式など基的な計算は衆院選と共通するものが多いので、必要に応じて下の記事を参照してください。 参院選の比例代表は全国が一つの区とされているため、全国で合計した票のみを考えるだけでよく、地域分布は検討に入れる必要がありません。その意味で政党の個性は埋没します。 それでは衆院選のシミュレーションのように個々の政党をそれぞれ計算する必要はないのでしょうか。実はそうでもなく、各政党の結果は全く同じものとはなり得ません。なぜ

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  • 【特集】第26回参院選(2022年)国民民主党――それは「野党」と呼べるのか|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部

    国民民主党は、代表の顔は同じでも、2020年の再編の前後で異なる性格を持つ政党です。今回は前半でその不連続性を分析し、後半では一つ一つの選挙を振り返りつつ、独特の原発地盤や民社党時代からの連続性に踏み込みます。それとともに記事の各所で取り上げたのは、次期衆院選に臨む際の立憲民主党の姿勢についてでした。議論の一助としていただければ幸いです。 「旧」と「新」で異なる国民 立憲民主党と国民民主党は、いずれもかつての民進党をルーツにもった政党です。大まかな流れを以下にまとめました。 図1.民進党以降の各政党の変遷 この図1は、各政党の変遷とあわせて、国会議員の流れを矢印として表したものです。無所属議員の出入りや選挙の当落を反映すればさらに詳細になりますが、ここでは概観が目的なので主な動きにポイントを絞りました。 1996年から20年間にわたってあり続けた民主党は、2016年に民進党と名を変えた後、

    【特集】第26回参院選(2022年)国民民主党――それは「野党」と呼べるのか|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部
  • 【特集】第26回参院選(2022年)社民党――山を動かすこと|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    社民党は、社会党時代からの長い歴史をもつ政党です。今回は前半で、党が分裂するなかで票が増えた現状を分析し、後半では33年分の票の推移を検討するとともに、2倍の支持率の差をはねのけて自民党に圧勝した土井ブームのダイナミズムに迫ります。 党は割れ、票は増えた 2020年の12月に党が分裂し、所属する国会議員の半分が立憲民主党に移籍してしまった社民党にとって、第26回参院選(2022年)は正念場だったといえるでしょう。地方組織や職員を失ったこと、労組の支持が離れたことなどが重なって、社民党の地盤では大幅な票の減少がみられました。 従来の地盤が大きく沈下したことを、下の表1に見ることができます。これは、第25回参院選(2019年)の絶対得票率(%)が高かった50の市区町村について、第26回参院選(2022年)の絶対得票率(%)と増減(ポイント)を集計したものです。増減は北海道 占冠しむかっぷ村を除

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  • 次期衆院選比例代表・議席獲得難度序列シミュレーション|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    次期衆院選の比例代表の情勢を探るべく、2段階のシミュレーションを行いました。まず1段階目では、第26回参院選(2022年)の全国比例の票を衆院選の比例ブロックごとに再集計し、ドント式の計算によって議席を求めました。まずはその結果の一覧を示しましょう。 1段階目のシミュレーションの結果・各政党の獲得議席数一覧 これは議席予測ではなく機械的な計算の結果です。比例ブロックごとに0や1となったもののなかには、当選ライン付近にあたる僅差の当落が多々あります。そうしたものがどのように動きえるのか、実際のところは衆院選と参院選の傾向の違いや、時間的な党勢(支持率)の推移、各政党が選挙に臨む姿勢などに応じて、検討を加える必要があるわけです。 そこで2段階目のシミュレーションでは、特定の政党の票を変化させ、票が増えた場合の「議席獲得条件」や、票が減った場合の「議席喪失条件」をさぐりました。特定の政党について

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  • 闘う姿勢――果たして立憲の票は維新に奪われたか?|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    先に公開した立憲民主党の記事「第26回参院選(2022年)立憲民主党――支持されるとはどういうことか」は、たいへん多くの人に読んでいただくことができました。厳しい話も率直に書きましたが、総じて好意的な評価が得られたことをうれしく思います。 さて、先の記事には、第49回衆院選(2021年)から第26回参院選(2022年)にかけて、「立憲が失った票は他の党に回ったのではなく、かなりの部分が棄権したことが示唆される」「維新に票を奪われたわけではない」とした部分がありました。これは得票数や出口調査の検討によるものですが、そうした情報は二つの選挙の票の流れそのものをとらえようとしたものではないため、決め手を欠く面もありました。 たとえば、「第49回衆院選(2021年)で維新に入れた人のうち、かなりの部分が第26回参院選(2022年)では他の政党に投票したり棄権していた可能性はないのか。そうして減った

    闘う姿勢――果たして立憲の票は維新に奪われたか?|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト
  • 【特集】第26回参院選(2022年)れいわ新選組――政権交代に必要なこと|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    れいわ新選組は、結成の3か月後にむかえた第25回参院選(2019年)で2議席を得ました。これは政党要件を持たない政治団体が参院の非拘束名簿式で当選者を出した初の事例であり、朝日、毎日、産経などが躍進と報じました。 他方でこれは、野党各党がれいわ新選組を警戒することを結果します。与党も同じでした。れいわ新選組の勢力は小さいものの、もし既存の野党共闘勢力と結びついて無党派層を揺さぶる動きに発展していけばどうなるか――。そこで、あのような勢力はただのポピュリズムに過ぎない、N国党(後のNHK党、政治家女子48党)や参政党と同じだといったように矮小化することも行われ、党や支持層に対するイメージは様々な形でゆがめられてきました。 しかし現在は、結成から4年の時を経て多くのデータがそろいつつあります。れいわを支持するのはどのような人たちなのでしょうか。れいわは従来の野党の支持層を大きく削ったのでしょう

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  • 第20回統一地方選 41道府県議会の議席配分|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部

    2023年4月9日に行われた統一地方選前半日程の、41道府県議会の選挙結果をツイッターとフェイスブックにあげたところ、一覧にまとめてほしいという声があったのでここにも掲載しておきます。 集計はNHKに基づき、公認候補のみを分類しています。実際は無所属の中にも各党の推薦候補が存在しますが、そこまではやっていません。立憲と国民の色が区別しづらかったりしますが、昨日とっさに作ったものなのでご容赦ください。ここに掲載したグラフは自由に転載して使ってもらって構いません。 北海道議会自民  49(±0) 公明  8(±0) 無所属 17(+6) 諸派  0(±0) 政女  0(±0) 参政  0(±0) 維新  1(+1) 国民  0(±0) れいわ 0(±0) 社民  0(±0) 共産  2(-1) 立憲  23(-1) 青森県議会自民  25(- 4) 公明  2(±0) 無所属 12(+6) 諸

    第20回統一地方選 41道府県議会の議席配分|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部
  • 【特集】第26回参院選(2022年)日本維新の会――みんなそれを過剰に大きなものだと思い込んだ|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    維新の会は第49回衆院選(2021年)と第26回参院選(2022年)で議席を増やしました。支持率も以前と比べて大幅に伸びており、一時は結党以来最高になったと言われていたほどです。こうした状況をうけて、立憲民主党などの他の野党のなかからも、日維新の会への支持の高まりに注目すべきであるといった声が相次いで上がりました。そこで、この記事では維新の実力を、時間的に、また地域的に、できるだけ正確に評価して、現状認識の一助とすることを目指します。 まずは2013年1月から現在にいたる維新の支持率を見てみましょう。 図.1.全国世論調査による日維新の会の支持率 世論調査は様々な新聞社、通信社、テレビ局によって行われており、それぞれ微妙に異なる支持率が発表されています。そこで各社の偏りを補正したのちに加重移動平均をとり、解像度を高めたものを図1に示しました。 維新はもともと2009年4月25日に大

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  • 【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――支持されるとはどういうことか|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部

    立憲民主党にとって、第26回参院選(2022年)は議席を減らしただけでなく、比例代表で維新に100万票以上も離されるなど、敗北というよりほかにない結果でした。なぜそのようになったのか、これまで様々な主張がなされてきましたが、そうしたことを論じる前に、実際にどのように票を減らしたのかを正確におさえるのが科学的な態度であるはずです。今回の記事はそこから始めましょう。 一人負けの構図 まずは全国集計の比例代表のデータから全体像をつかむことにします。擁立した候補者の数に依存する選挙区の票と違い、比例票は党の基礎体力を表すバロメーターとみなすことができます。 枝野代表のもとで臨んだ第49回衆院選(2021年)から、泉代表に交代した後の第26回参院選(2022年)に至る比例票の変化を表1に示しました。 表1は、この二度の選挙に臨んだ政党と政治団体について、得票数と絶対得票率、およびその増減を掲載したも

    【特集】第26回参院選(2022年)立憲民主党――支持されるとはどういうことか|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部
  • 【特集】第26回参院選(2022年)共産党――リベラル左派浮動層の解明|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    共産党は近年の国政選挙で票を減らし続けており、支持者の高齢化による集票力の低下が指摘されています。確かに10年以上もかけて緩やかに票を減らしてきた公明党などの場合、そうした説明は妥当性を持つといえるでしょう。けれど共産党に関しては、そのような解釈は誤りをおかしていると言えるのです。 次の地図を見て下さい。これは昨年行われた第26回参院選(左)と、民主党政権下の2010年に行われた第22回参院選(右)について、市区町村ごとの絶対得票率を地図にしたものです。 図1.第26回参院選と第22回参院選の絶対得票率 あまりに両者が似ていることに少なからぬ人が驚かれるのではないでしょうか。全国で集計した得票数は、第26回参院選が361万票で、第22回参院選が356万票。それらはわずか5万票あまりしか違いません。つまり現在の共産党の集票力は、全国的に民主党政権下の水準に戻っているのです。(このため今年行わ

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  • 【特集】第26回参院選(2022年)公明党――地盤の異変、とらえた|三春充希(はる) ⭐未来社会プロジェクト

    公明党は先の参院選で比例代表の得票数を減らし、政権与党の座について以来の低水準となりました。このことについて、支持者の高齢化にともなう運動量の低下や、自公協力のほころびなどが指摘されています。しかしながらどの地域でどれほど票を減らしたのかということや、それが次の国政選挙や統一地方選挙にどのように影響しうるのかということが、いまだ具体的に議論されていません。そこで今回は、過去45年間にわたる全国の市区町村の票のデータをもとに、公明党の地盤の形成過程や、現在おきている異変を解明していきます。 自公協力における供与と逆供与 広く知られているように、これまで自民党と公明党は選挙協力を行ってきました。これは、小選挙区では公明党支持層が自民党の候補に投票する一方、比例代表では自民党支持層の一部が公明党に投票するというもので、2000年以降の衆院選で顕著になっています。前者の票の動きを「供与」、後者を「

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  • 【特集】第26回参院選(2022年)自民党――地方の衰退と一強体制の虚構|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部

    今回から各政党の個別の議論を行っていきます。選挙区、比例代表、候補者の個人票など議論するべきことは多岐にわたり、自民党ばかり扱っていると今年が終わってしまうので、今回の自民党PART1の後は他の政党を一つずつ取り上げ、それが一巡した後にPART2に進む予定です。 さて、先に「何人に一人が自民党に投票しているのか」という記事で自民党の絶対得票率の地図を公開した際に、自民党当に強かった時代とは違い、近年は5人に1人の票によって勝つような選挙がなされていることを述べました。けれどそうは書きつつも、かつての自民党がいかに強かったのかというデータは示せませんでした。 そこで、今回は総務省や選挙管理委員会がWebで公開していないデータまで用いて、全ての市区町村について過去39年分の絶対得票率の計算を行いました。地図とアニメーションによって自民党の票の動きを完全に可視化します。 39年間の投票率の動

    【特集】第26回参院選(2022年)自民党――地方の衰退と一強体制の虚構|三春充希(はる) ⭐第50回衆院選情報部