「働き方改革」に関する議論が注目されている。各種報道においても指摘されているように、今回の労使合意に基づけば、残業時間の上限特例が定められることによる長時間労働是正の効果は、限定的なものに留まる可能性が高いように思われる。 実際のところ長時間労働となっているのはどのような層が中心となっているのだろうか。 総務省統計局「平成23年社会生活基本調査」より、ライフステージ別、夫婦の雇用形態別に、男女それぞれの平日1日あたりの平均仕事時間についてみると、男性では独身期および既婚・子なしの非正規を除くすべての層で、女性では既婚の正規就業者で、それぞれ8時間を超えており、多くの勤労者では時間の長短を問わず残業が常態化していることがわかる(図表-1)。 また、男性では既婚で末子が就学前または小学生の、正規就業者の男性と非正規就業者の女性の世帯〔正規・非正規世帯(男性・女性の順、図表も含め以下同じ)〕と正