今回、中国の「一国二制」に関する取り組みを歴史的にふり返ることを通じてもっとも強く印象づけられたのは、中国共産党指導部が建国(1949年)以後一貫して、台湾の平和的統一を目指して台湾当局に働きかけを行ってきたということでした。前に、梨の木ピース・アカデミーの講義で日中関係を取り上げました。そこでもお話ししましたが、中国共産党指導部は戦後一貫して日本との関係改善を目指して努力してきました。そのために中国共産党指導部は、日本軍国主義によって塗炭の苦しみを押しつけられ、したがって当然ながら日本に対して怒り・憎しみしか持ち得ない中国人民に対して、「悪いのは日本軍国主義であり、日本人民もその被害者なのだ」という論理を辛抱強く説き続けて、中日関係改善のための国内環境作りに力を尽くしました。日本に対すると同じように、中国共産党指導部は台湾に対しても、台湾人民に対する考慮から早くから平和統一の方針を打ち出