北京五輪の閉幕を待っていたかのように2月24日、ロシア軍が隣国ウクライナに侵略した。戦火はウクライナ各地に広まり、平和を願う国際世論にもかかわらず、収まる気配が見えない。「戦争とスポーツ」のテーマで考えたとき、まず思い浮かべたのは、1990年代の旧ユーゴスラビア紛争当時、サッカーのユーゴ代表監督として国家崩壊の渦中にありながらチームを結束し、手腕を発揮したボスニア出身のイビチャ・オシム氏だ。 ジーコ監督の後を受け、2006年に日本代表監督に就任したが、W杯南アフリカ大会を2年半後に控えた2007年11月、脳梗塞で倒れ、代表監督を辞任するアクシデントに見舞われた。奇しくも今月24日には、勝てば今年11月のW杯カタール大会の出場権を得るアジア最終予選のオーストラリア戦を迎える。 日本代表監督としては「未完」に終わったオシム氏が、著書などを通じて残した多くの名言・苦言から日本サッカーが何をくみ取