その中心地になっているのがモーリシャス共和国である。 日本人には馴染みの薄い国であるが、ハネムーンやエコツーリズムの目的地として人気がある場所だ。 いくつもの島々からなるモーリシャスの総面積は東京都よりもわずかに小さく、人口は約123万。 そこがいま米中両国の権力闘争の震源地になっている。 米国が戦略的な観点からインド洋を眺めたとき、モーリシャスは小国であっても極めて重要な場所といえる。 というのも、同国の中心地であるディエゴ・ガルシア島は、宗主国英国政府によって米国に貸与されている所で、米軍はそこに海軍基地を置いているからだ。 同基地は米軍にとってインド洋で最大の拠点で、湾岸戦争やアフガニスタン戦争、さらにイラク戦争時には「B-52」ステルス爆撃機をそこから出撃させている。 モーリシャスから中東の紛争地域へは射程内の距離にあるのだ。 米軍は、ロシアの南側や中国に向けて巡航ミサイルを発射す
