むかしむかし、小さな池がたくさん集まっている場所がありました。 それぞれに釣り人がいて、魚を取って家族を養っていました。お互い、よその池の魚には手を出さない約束でした。 ある朝、池同士がつながって、大きな湖になってしまいました。釣り人は困りました。湖で釣りをしようにも、池の大きさに合わせた竿と糸では長さが足りないのです。湖の岸に目をこらすと、同じような釣り人がたくさんいます。 一人の釣り人が、撒き餌で大魚を誘いました。ほかの釣り人もまねをして、えさをまき出します。魚は取れましたが、えさ代がかかってみな財布の中身が寂しくなりました。そのうち、賢い大魚はえさだけとって、釣り針にはひっかからないでゆうゆうと湖を泳ぐようになったのです。 釣り人たちも魚が取れないままでは、おまんまの食い上げ。大魚を捕まえようと、手を携えて知恵を絞ることにしました。 大魚を税を納める企業、釣り人を税を集める政府、その