最近、自動車用電池や定置・蓄電用などのパワーエレクトロニクス分野ではリチウムイオン電池の存在感が急速に大きくなってきています。電力のピークシフト対応や再生可能エネルギーの大規模導入などです。これらには発電した電気を貯めることで需要との時間差をコントロールする二次電池が重要な役割を占めます。なかでもリチウムイオン電池が注目されているため、本稿ではその現状と今後について議論したいと存じます。 本命エースから一時降板した燃料電池 電池というと、「あれ、一頃の燃料電池ブームはどこへ行った?そろそろ実用化されてもおかしくないぞ?」と思われている方も多いと思います。実際、燃料電池はエネルギー密度の点からも最終解に近い魅力的な技術でしたが、2008年のときに、水素取扱いの困難さは社会インフラとして当面クリアできないと各社が判断したようです。 したがって、世の中ぐるっと見回すと、いまだに本気で研究を進めて
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