さて本日は、前回の記事で未読ながらあれこれとまつわる話をした「下町ロケット」についてです。遅まきながら、読了致しましたので、感想をば。 まずは全体的な感想です。作者が丹念に取材し、それに基づいて非常にスケールの大きい物語を構築していることに大きな感銘を受けました。もの造り日本と言われながらなかなか実感のできないことが多いかと思うのですが、もの造り日本ここにあり!と快哉を上げたくなる作品です。 …と言った上で、ねちねちと細かい話をしましょう。ネタバレ部分が多々ありますので、ご注意を。 まず、佃製作所の舞台となっている大田区上池台。私の自宅がまあまま近所(大田区では共通)であり、上池台にも馴染みが随分とありますが、佃製作所は上池台の坂の途中にあるという設定になっています。で、実際の上池台には平地部分と坂の部分とがあり、平地部分は内陸にありながら比較的専有面積の広い事業所が幾つかあって、工場も立