■複雑な心境になる『MOTTAINAI』 昨年、残念ながら亡くなってしまったが、ケニア出身の環境保護活動家であり環境分野での初めてのノーベル平和賞受賞者でもある、ワンガリ・マータイ氏が日本の『もったいない』という言葉を知って、これを環境問題を考えるにあたって重要な概念として世界に広めようとしていたことは忘れることができない。これを聞いて、異国の女性が日本の言葉に興味を持ってくれたことも、それを世界に広めようとしてくれていることも、日本人として素直に嬉しい気持ちになった人は多いはずだ。マスコミも大いにこの人のことを取り上げた。だが、少なからざる日本人は、一方で何ともきまりの悪い気持ちになったはずだ。何故なら次のような考えが湧いて来たに違いないからだ。 『もったいないなどと言っていては、経済はまわらず、科学も発展しないだろう。』 ■浪費は善? 日本でも戦争を経験した世代にとっては極端な物不足を