米コロラド州のCBDオイル・ヘンプ・マリファナ農場で栽培されている大麻草。(PHOTOGRAPH BY JEREMY POLAND, GETTY IMAGES) 産業用大麻「ヘンプ」は、すでに医学の分野では高い利用価値が認められている。ヘンプは植物としては「マリファナ」と同じ大麻(Cannabis sativa)という種だが、幻覚作用や依存性をもつ成分をほぼ含まず、米国ではその成分の含有率により両者ははっきりと区別されている。一方で、ヘンプには「カンナビジオール」(CBD)という成分が含まれる。CBDは脳の神経系の働きを調整し、不安や不眠症、炎症の治療に使われることも多い。研究では、てんかん、慢性痛、依存症の軽減にも役立つことが示されている。 しかし近年、ヘンプの用途は医学の領域を超えて広がり、レーシングカーの製造、より持続可能なビールの醸造、食品のタンパク質の強化などにも使われ始めている