最近、うつ(鬱)、うつ病という言葉を良く耳にします。確かに当院の外来にも「うつ状態」で受診される方が急増しています。 その中には、うつ病の方もおられれば、うつ病ではないが、うつ状態に悩んでおられる方もいます。実は「うつ病」とうつ病までには至っていない「うつ状態」との境はあいまいです。ですからNHKでの特集では「うつ」という言葉が使われていました。「うつ」は両者を含む言葉といえますが、はっきした定義はありません。 うつ病的な症状としては、憂鬱(ゆううつ)気分はもちろんですが、以下の諸症状が目安になります。不眠(それも早朝覚醒)、食欲の低下、意欲の低下、精神活動がのろくなったような感じ、疲れやすさ、楽しめなさ、朝方のみ調子が悪い日内変動などです。 また、頭重感をはじめ腰痛など、しつこい身体症状が実はうつ病の症状であったということもまれならずあります。これは仮面うつ病と言われます。身体症状