若者の視点から世界を顧みる不定期シリーズ「若者たち」。第2回は「兄萌え」の「オタク」として日々を送る女性が綴った、「お兄ちゃん」探しの冒険を振り返るエッセイ。前回に引き続きなほるるさんのご執筆です。 物心ついた時からオタクだった。アニメ、漫画、今「オタク」と呼ばれる人達ならたしなむもの全てを、私は小さい頃から見ていたと思う。その中に「兄と妹がイチャつく」、というシーンをよく見た。オタクであると同時に、「妹にやさしいお兄ちゃん」像に強く惹かれていた。 2000年頃から『シスター・プリンセス』という作品が流行った。12人の妹と一人の兄がイチャラブを繰り広げるというぶっ飛んだ内容にも拘わらずヒットした。私が「シスプリ」を知ったのはアニメ放映後の話だったけど、「12人の妹達の中に自分も交ざりたい......」という妄想でよく悩んだ。「どうすれば12人の妹の中に入り、兄に甘えられるのか」に悩んだ。