フランス北部ピカルディ地方の街ボーヴェでは、地上60メートルを超える高い所でフランス流の景気刺激策が進行中だ。小さな絵筆とサンドブラスターを手にした職人たちが足場の上で、14世紀ゴシック様式の大聖堂の傷んだ壁面を手入れしているのだ。 200万ユーロ(270万ドル)かけた修復工事は、総額260億ユーロに上る景気刺激策の一環としてフランス政府が策定した1000件のプロジェクトの1つ。 フランスの刺激策には、高速道路や港湾、そして高速鉄道網TGVの改良のような一般的な公共事業と並び、歴史的な大聖堂や教会の修復も含まれている。 危機のさなかでも、フランス人はやることが違う。米国から消費者の需要喚起に努めよと説かれても、フランスの景気刺激策はディリジズム(統制政策)の伝統に倣い、大聖堂修復も含むインフラへの前倒し投資に大きく偏っている。 重い税金と厳格な規制、保護を伴う慈善的な国という点では