最高裁の弁論を控え、これまでの裁判を振り返る女性。提訴から7年になる=東京都内で2024年5月、春増翔太撮影 そこには、出生地として今も昔も存在したことのない地名が書かれていた。「長野県岡谷市原村」。長野には岡谷市も原村もあるが、隣接もしていない。そもそも母が生まれたのは、そのどちらでもない別の場所だった。戸籍謄本にもそう書いてある。 「そんな適当な文書が、なぜ裁判で有効な証拠として認められてしまうんでしょうか」と、神奈川県に住む60代の女性は言う。 9日公開の関連記事あります。併せてお読みください。 「億単位の献金者なら」念書交わす 旧統一教会が明かした理由は この文書は、2015年11月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者だった86歳の母(21年、91歳で死去)が地元教会の幹部に連れて行かれた公証役場で署名をした「陳述書」だ。文面は印刷され、最後の名前と住所だけが自筆で書かれてい