なぜか。中学ぐらいではっきり分かったんです。SF好きのヤツは物語を作ることを知らない。演劇というものに興味を持ってないだけに、人を動かして劇を作っていくという一番根本的な作業を知らないのではないかな、ということに気がついたんです。 高1ぐらいで見た「禁断の惑星」という映画も、タイトルで「ぞくぞくっとしたものを見られるのかな」と期待したのに何が禁断なのか全然分からないことにまず愕然(がくぜん)とした。 もっと愕然としたのは、SFってもっと画面が広くないといけないのに「セットで撮影しています」というカメラワーク。死ぬほどつまらなかった。でもお金を払ったので我慢して最後まで見たんです。 高1にもなっていると別の見方ができるようになっていて、「この役者は演出家の指示に従ってなくて、自分で芝居してるな」というのを見つけることができたんです。「役者ってこういうことをやるんだ」とか「映画って注意深く見る
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