陸上自衛隊練馬駐屯地(東京)は19日、福島第1原発事故で災害派遣された郡山駐屯地(福島県郡山市)からトラックを盗んで逃げたとして、第1特殊武器防護隊の3等陸曹、前床(まえとこ)祥一郎容疑者(32)を懲戒免職にしたと発表した。3月20日に窃盗容疑で陸自の警務隊に逮捕されていた。前床容疑者は、放射性物質の除染作業を行う部隊の連絡係で「原発事故に対する恐怖心からパニックになって逃げた」と供述しているという。 陸自によると、逮捕容疑は派遣翌日の3月14日午後10時ごろ、陸自のトラックを盗んだとされる。前床容疑者はさらに、福島県内で民間の乗用車を盗んで逃走。同19日夕、同防護隊に連絡してJR池袋駅(東京都豊島区)近くで保護され、翌日逮捕された。「テレビ報道で自衛隊の活動を見て、部隊に戻らなければいけないと連絡した」などと説明しているという。今月10日には、民間の乗用車を盗んだ容疑でも再逮捕された。【
政権がイメージする新しい東北地方の食糧基地構想 菅政権は東日本大震災で津波被害を受けた各地の農地を集約して大規模化を進める一方、壊滅した小さな漁港も拠点ごとに集約するための法案を今国会に提出する方針を固めた。東北地方を新たな「食糧供給基地」と位置づけ、攻めの復興策を目指す。 津波被害では太平洋沿岸の農地が流され、岩手、宮城、福島など6県で耕地面積の2.6%、2万3600ヘクタールが被害を受けた。 菅政権は、東北復興には主要産業の農業の再生が不可欠と判断。流された市街地や住宅地の跡地も含め大規模農地を造成し、農業専用地域として指定する。そのため「新たな食料供給基地建設のための特別措置法案」を提出。同時に沿岸から遠くにある農地を市街地や住宅地に転用しやすくし、防災上の効果も狙う。 法案では地元自治体の意向を踏まえ「復興再生計画」を作り、「漁業」「都市」「農林業」などの地域を再設定。規制
川口綾香さん(右)と夫の和徳さんの間でおどける長女の日向ちゃん=兵庫県尼崎市の自宅 ■川口綾香さん(28) 震災遺児 小学6年の時、阪神大震災で神戸市東灘区の木造2階建ての自宅が全壊した。2段ベッドに寝ていた私と小学2年だった妹は助かったけど、ふすま一枚隔てた和室に布団を敷いて寝ていた両親は、家具の下敷きになって亡くなった。私は父方、妹は母方の祖父母にそれぞれ育てられた。 震災3カ月後の1995年4月、被害の少ない神戸市北区の中学に入学した。そこで、普通に時間が流れていることが不思議で不思議で仕方がなかった。まるで何もなかったように、学校も当たり前のように始まって、自分の時間と周りの時間がつながらなかった。 家族を亡くしていない同級生は、月日が経つと元気さを取り戻していく。「なんで自分だけがつらいんだろう」という思いを、どうやってはき出していいのかわからなかった。周りの大人からは「が
西太平洋の島国・パプアニューギニアでは、貧しい山あいの村落で東日本大震災への募金運動が拡大し、これまでに2000人以上から義援金約8000キナ(約26万円)が集まった。児童100人分の年間教育費に相当する額だ。 同国中部のゴロカ教育大学で情報管理部長を務める原田武彦さん(38)が、ローカルのFM放送番組で被災状況を伝えたのがきっかけ。 地元住民は数百世帯に1台しかないテレビに群がり、震災のニュースを見ており、「被災した子どもを預かりたい」「水を届けたい」との申し出が原田さんのもとに殺到した。 同大日本語学科の学生らは募金活動に立ち上がり、工事用のトロッコを募金箱代わりに村々を訪問。現金収入が限られているため、ピーナツや果物のグアバを寄付する行商の女性もいた。 小学校では「日本人と心の痛みを分かち合いたい」とのプラカードを掲げた児童約500人が出迎えた。(シンガポール 岡崎哲)
富津火力発電所に着岸するLNG運搬船「グランド・アニバ」(16日午前、千葉県富津市で、読売ヘリから)=松本剛撮影 東日本大震災に伴う日本の電力不足対策として、ロシアが日本に追加供給する液化天然ガス(LNG)の第1船が16日朝、千葉県富津(ふっつ)市の東京電力富津火力発電所LNG基地に到着した。 大きな半球状のタンク4基を備えた専用運搬船「グランド・アニバ」は、露極東サハリンでLNG6万5000トンを積み込み、約1週間かけて東京湾まで輸送した。首都圏の電力需要をまかなうため使用される。 北方領土問題をめぐり日本との関係が険悪化していたロシアだが、震災翌日の3月12日にはプーチン首相が、LNGや石油などの供給増を直接指示していた。 手配に当たった露国営企業ガスプロムは、「日本が困難を迎えている今、私たちは求められれば、さらに支援を行う」とするメッセージを寄せた。(モスクワ 貞広貴志)
東日本大震災による大津波では、屋根ぶきに使われる天然スレート(粘板岩)の産地・宮城県石巻市の倉庫が被災し、JR東京駅丸の内駅舎の復元工事のために保管されていた6万枚余りのスレートが流された。 駅舎の落成が来年3月に迫り、業者は「なんとか駅舎を完成させたい」と、がれきの中から1枚ずつ拾い集めた。JR東日本は15日、使用できるかどうか現地で調査する考えを明らかにした。 宮城県北部の北上川河口から約4キロ上流。文化財の屋根工事を手がける建築会社「熊谷産業」(石巻市北上町)は、追波(おっぱ)湾から上ってきた津波にのみ込まれた。「がれきと泥水の塊が、次々とスレートを流していった」。避難場所から見ていた同社の武山貞範さん(34)は悔しそうに振り返る。
政府は15日、今月中に国会に提出する予定の「復興基本法案」(仮称)について、復興に関する権限を各省庁から移管して一元化する「復興庁」設置を盛り込むことを見送る方針を固めた。権限移管の調整に時間がかかり、復興庁の役割が各府省と重複して「屋上屋になる」との指摘を考慮した。閣議決定により設置された「復興構想会議」(五百旗頭真議長)は基本法で明確に位置付け、全閣僚で構成する「復興本部」(仮称、本部長・菅直人首相)に提言する役割を担わせる。 復興庁構想を巡っては、民主党の特別立法チームが3月末にまとめた同法の素案で「復興本部の下に事務局として復興庁を置く」としたほか、公明党など野党の一部も復興の中核となる組織を求めていた。 しかし、政府・民主党内で「屋上屋を架すだけであまり意味がない」(政府筋)、「各省から権限を奪うより、それぞれの省が責任を持つべきだ」(政調幹部)といった意見が強まり、同法盛り
政府が今国会に提出する東日本大震災の「復興基本法案」の素案が16日分かった。菅直人首相を本部長、全閣僚を本部員とする「復興対策本部」を設置。同本部が基本指針を策定し、政府の司令塔として各府省の総合調整を担う。出先機関として被災地に「現地対策本部」を置く。福島第1原発周辺地域の復興を検討する「会議」の創設も明記した。 また、震災復興担当相を新設し、官房長官とともに復興対策本部の副本部長に就くことを検討するとした。閣僚増員の場合、内閣法改正が必要で、野党の協力が得られなければ現閣僚を1人退任させなければならない。民主党幹部は同日、「復興相設置はまだ決まっていない」と述べ、慎重に調整する考えを示した。 原発周辺の復興を話し合う会議は、避難地域など地元自治体の首長や有識者らで構成する。事故の収束が見通せない中、政府は他の被災地とは別に議論する必要があると判断した。復興ビジョンを作る首相の諮問機
3月11日金曜日。東日本大震災の直後から、六本木ヒルズ(東京都港区)26階にあるGoogle日本法人のオフィスの一角に、技術者など十数人のスタッフが集まっていた。小さなこたつ机を囲み、ひざを突き合わせる。「われわれに何ができるのか」――真剣な議論と開発の日々が始まっていた。 「いかに早くリリースするか」 オフィスを小走りで移動、リポDの山も こたつ机を囲んだメンバーの1人が牧田信弘プロダクトマネージャーだ。普段はモバイル向けGoogleマップを担当しているが、地震後はすぐに米国オフィスと連絡を取った同僚とともに、人の消息情報を登録・検索できる「Person Finder」の準備に取り掛かった。 Person Finderは、昨年1月のハイチ地震の際にGoogleが公開したシステム。昨年2月のチリ地震や今年2月のニュージーランド地震でも利用されている。牧田さんらはPerson Finderの
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