ユーザビリティは機器単体、あるいはソフトウェア単体、ウェブ単体のものではない。ユーザビリティテストをやる場合、単体を対象としてテストを実施することが多いが、ユーザにとってみれば、ひとつの目標をなしとげるのに関係する全ての人工物のデザインが適切になされていないと意味をなさない。このことは頭では分かっているようでいて、実際には問題のあるケースが多い。その例を音楽プレーヤで見てみよう。 音楽プレーヤにはMP3を利用するタイプとそれ以外の形式を利用するものがある。またMP3を利用するものの多くは、パソコンからみると外部記憶装置のように見えるものが多く、その場合、パソコンに接続して必要なMP3ファイルをコピーするだけで作業は完了する。ところがMP3を利用するプレーヤの一部と、独自形式を用いているプレーヤでは、ファイルの移動に独自の転送ソフトを利用することになる。つまり、ユーザビリティの観点からすると
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