「以前の当社は『セキュリティーのリスクをゼロにしなければ』と考えて守りを固めていたが、DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代にそぐわなくなった。ITの使い勝手が犠牲にならないよう『リスクを可視化し、攻撃を受けたとしても即座に対応しよう』という発想に切り替えた」――。大手建設会社、竹中工務店のグループICT推進室ICT企画グループの高橋均副部長は、自社の現在のセキュリティー対策についてこう語る。 同社は創業120年の節目となった2019年、「ゼロトラストネットワーク」と呼ばれる新たな発想のセキュリティー対策を本格展開した。ゼロトラストとは文字通り、何も信じず「全てを疑う」という意味。「外部は危険だが社内LANは安全」との前提に立って設計する従来のセキュリティー対策と異なり、全てのネットワークを危険と見なし、ユーザーがどこからアクセスしてきてもアプリケーション利用状況などをきめ細かくチ
