創薬研究を1年に短縮 新薬をつくる創薬の研究現場で人工知能(AI)やロボットの導入が進む。医薬品の開発には十数年の期間を要し、その難易度やコストは上昇の一途をたどる。最近では米グーグル傘下のディープマインドがたんぱく質構造予測AI「アルファフォルド2」を公開し、生物学に変革をもたらすなどIT企業の参入も増えた。こうした中、国内の製薬大手はデジタル技術をどう活用し、創薬の成功率を高めていくのか。 「従来約1年かかっていた作業を3カ月でこなすといった標準タスクの作り直しが今後どんどん起きる」。アステラス製薬の安川健司社長最高経営責任者(CEO)はAIやロボット採用による効果をこう見通す。同社はミリ単位の精緻な操作が可能なロボットを使った人工多能性幹細胞(iPS細胞)の精密培養で業界をリードする。 それが、つくば研究センター(茨城県つくば市)に導入したヒト型ロボット「まほろ」を活用した創薬プラッ