フィールドが,ラボなのだということが,かつて某省の研究所にいたときは霞ヶ関の若い行政官になかなか理解してもらえず旅費の件で私が口にした言葉を揚げ足取られて彼に叱られた。どうも彼は,フィールドに行くということを採材に行くことと間違えていたのだ。 「ええと,c_Cさん,そんなにいうのなら1ヶ月の内,どのくらいフィールドに出れたら良いと思うのですか?」「ええと,許されれば,勤務日は毎日ずっと。最悪でも2週間以上。です。」「え?そんなに?」 あまりに異文化だったのか,幸いなことにそれで,私が「フィールド変態」だからそんな風に言ったわけでないことを彼は理解した。そりゃあ,試験管を振る日常が,フィールドにあるというだけなのだ。当時の私だって,お江戸でデートもしたかった(そうでないと参ってしまう)。私も,最低限のデータ取りと採材の場所だと割り切って仕事する場合もあるのだが,文字通りラボなのだという意味で