「ネット関連技術の進歩に対応した著作権法制度を整える必要がある」。NPO法人エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワークが開催した第5回シンポジウム(2008年5月31日開催)で角川グループホールディングス代表取締役会長の角川歴彦氏が指摘した。コンテンツ産業の振興に尽力してきた同氏は,コンテンツ・ビジネスの広がりを総括した上で,ネットでのコンテンツ流通やネット・ベンチャーの振興を後押しする法律である「ネット法」新設の意義を述べた。以下は同氏の基調講演の要約である。 デジタル・ネットワークが新しいコンテンツ・ビジネスを生む 著作物を利用したビジネスにはいくつかの形態がある。映画業界を例に取ると,映画館で映画を上映するのが1次利用である。これに続き,映画をDVDなどのパッケージ形態で販売やレンタルするのが2次利用である。DVDの販売やレンタルは,すでに映画会社にとって大きな収益源の1つに