ロールキャベツの起源にも 中東地域やその周辺に広がるその料理は、「ドルマ」や「ワラカ・イナブ」「ドルマダキア」などと呼ばれる。ご飯や肉をスパイスや香草で味付けしてブドウの葉で巻いた同じ料理だ。春から初夏にかけ、市場には束ねられたブドウの葉が積み上げられ、家庭では買い込んだ大量のブドウの葉が冷凍保存される。スパイスの種類や、乾燥フルーツを使うなど具材に変化形は存在するものの、歴史的に各地に伝播していったとみられている。 ヨルダン川西岸ラマッラの市場で売られていたブドウの若葉 そのお味はどうか。この料理ほど作り手の思いが味に出るものはないだろう。新鮮で柔らかいブドウの若葉を選び、破れやすい葉っぱで丁寧に手でご飯や肉を巻き上げる手間のかかる料理だ。各地の家庭やレストランで味わったが、やはり家庭の味に軍配が上がる。牛の首肉を使って4時間も煮込み味が染み込んだも濃厚な味わいや、パセリやミント、フェン