「これは我々にとっての勝利。ようやく天国の仲間たちに報告ができる」。16日、シベリア特措法の成立を衆院本会議場の傍聴席で見届けた全国抑留者補償協議会(全抑協)の平塚光雄会長(83)はそう喜んだ。 全抑協の会員は10万人以上いたが、今は1000人に満たないという。傍聴した元抑留者8人のうち、池田幸一さん(89)は「当たり前のことなのに、どうしてこれだけ時間がかかったのか。しかし長生きしたかいがありました」と話した。【栗原俊雄】 ……………………………………………………………………………………………………… ■解説 ◇政権交代の「たまもの」 シベリア抑留者でつくる全国抑留者補償協議会(全抑協)は30年以上、未払い賃金の補償を日本政府に求めてきた。民主党主導の議員立法によって、それが要求に沿った形で実現したのは、政権交代のたまものといえるだろう。 司法は補償要求を退ける一方で、立法に