和歌山県すさみ町の「エビとカニの水族館」は27日、同町沖で猛毒のカニ「ウモレオウギガニ」が見つかったと発表した。誤って食べた場合、死亡することもあるという。同館は県に連絡するとともに、網にかかっても食べないよう注意を呼びかけている。 この日朝、すさみ沖合約100メートルの海域(水深約2メートル)で地元漁師が仕掛けた伊勢エビ漁の網にかかっているのを同館スタッフが見つけ、引き取った。 甲羅の幅が約7センチもある南方系の毒ガニで、主に沖縄や鹿児島周辺の海に生息している。筋肉にフグ毒で知られるテトロドトキシンやサキシトキシンという猛毒があり、誤って食べた人が死亡した例もあるという。 同館によると、すさみ沖で見つかったのは3例目。現在も水温が25度前後と温かく、近年は亜熱帯地方の生物がよく見られるようになったという。