「クリミア奪還」の動きに大軍で対抗 ロシアとウクライナの関係が、2014年のクリミア半島併合以来最も緊張している。今年1月のバイデン米政権誕生後、ウクライナのゼレンスキー大統領が「クリミア奪還」への支援を国際社会に呼び掛けるや、ロシアは国境地帯に10万人の大軍配置で威嚇した。国境地帯での戦火が憂慮されている。 そんな中、6月16日にスイスのジュネーブで行われる米露首脳会談に注目が集まっている。ここでの話し合いが決裂した場合、ロシアの不気味な挑発行動も予想されるからだ。ロシアは新たな標的として、クリミアに隣接するウクライナ南東部のヘルソン州を狙っているとの情報もある。 ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州の親露派勢力が2014年に独立を宣言して始まった内戦は、これまでに民間人を含め1万4000人の犠牲者を出したが、ここ数年は小康状態だった。バイデン政権の誕生と、コメディアン出身のゼレンス